目次
序章 バチカンと国際政治
第1章 第一次世界大戦前夜から戦間期まで―国際的中立宣言と大戦への関与
第2章 戦間期から国連設立まで―バチカンの主権回復と国際関係
第3章 バチカンと国際労働機関
第4章 バチカンと世界プロテスタント教会協議会
第5章 バチカンのリアリズム外交―欧州安全保障政策との関係
第6章 冷戦終結―ヨハネ・パウロ二世と欧州の安全保障協力
第7章 教皇フランシスコの闘い
終章 バチカンと国際機関・組織―宗教と国際政治研究の意義
著者等紹介
松本佐保[マツモトサホ]
名古屋市立大学人文社会学部教授。1965年神戸市生まれ。1988年聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。1990年慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。1997年英国ウォーリック大学社会史研究所博士課程修了。Ph.D.取得。その間イタリア政府給費留学生としてローマのリソルジメント研究所に研究員として滞在。2012年より現職。専攻は国際関係史。論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
21
Ordo amorisは神を最も深く愛し世界と他者へと秩序と調和に従い愛を向けるカトリックの教えだ。復活祭前日、米副大統領はそれを「家族→国民→他者」の優先構文へ転地し教義の送り主=バチカンに突き返した。語りの反転。少年兵の再社会化に秩序が機能した記憶が現実味を与える。Holy Seeの回勅は移民を理想的に語るがその理念と現実の秩序とのズレは大きい。中立性の名の下に語られぬ現実、語らぬ者が正しいとは限らず。ニーチェが語彙を転倒しデリダが言葉の所有を疑った、本書は語りの主導権が奪われる寓話的構造も読み解く。2025/04/19
BLACK無糖好き
19
カトリックの総本山であるバチカンと、国際政治や国際機関との関係を考察。重要なポイントとして、1962年から1965年にかけて議論が行われた「第二バチカン公会議」がある。これは二度の大戦を経る中で世界や社会の変化に合わせ、カトリック教会の改革を図る世紀の大イベントであった。本書では特にバチカンとILO(国際労働機関)との関係にも重点が置かれている。キリスト教の価値観をベースに人権や環境といった問題への取組みを中心に、国際政治のアクターとしての宗教の役割、その重要性を提示したいという著者の思いは感じられた。2020/06/21
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