出版社内容情報
ルネサンス研究を中心とする西洋史家による軽妙な歴史の読み方の解説。図版、写真も多数収録
第1講 歴史の知とアイデンティティについて
第2講 宇宙認識の拡張について
第3章 ヨーロッパの自然観・身体観について
第4講 中世・ルネサンスの自他認識について
第5章 暦と暦法のゆらぎについて
第6講 時間の社会性について
第7章 奴隷について
第8講 身体変工をめぐる比較について
第9章 医術と病の諸相について
第10講 倉庫と蓄蔵について
第11章 歴史の口誦者について
第12講 科学と美術のはざまについて
第13章 中世社会と法について
目次
歴史の知とアイデンティティについて
宇宙認識の拡張について
ヨーロッパの自然観・身体観について
中世・ルネサンスの自他認識について
暦と暦法のゆらぎについて
時間の社会性について
奴隷について
身体変工をめぐる比較について
医術と病いの諸相について
倉庫と蓄蔵について
口承者の二類型について
科学と美術のはざまについて
中世社会と法について
王権について
教養体系の変容について
知の連環について
グローバリゼーションとローカリゼーションについて
著者等紹介
樺山紘一[カバヤマコウイチ]
印刷博物館館長・東京大学名誉教授。1941年東京生まれ。東京大学文学部助教授、同教授(98年文学部長)、国立西洋美術館長を経て2005年より現職。専門は西洋中世史、西洋文化史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
131
中世歴史学の専門家の書かれた論考を、編集者が題名まで考えてくれて著者にまとめることを勧めたようです。この題名がたしかにこの本の性格を表しているような感じです。メタヒストリー(私が勝手にそう思ったので名づけました。メタデータという用語をよく見かけますので)の論文集だと思います。さまざまな観点で分類してそこだけを読んでもそこから発展していって他の論文や、本などをさがしてもいいのではないかと思いました。2016/11/16
壱萬参仟縁
32
ヴィーコにとって、歴史という対象は、認識主体である人間によって作為、つくられたものとしての真理を内蔵(007頁)。三極構造としての史学は、事象の説明、意味の解釈、構造の解読(026頁)。理性による判断は普遍的な真理をおしえるのであって、人間存在にとって本質である(071頁)。民衆はかねてから、自分の居住域の近辺に、意識上、怪物をすまわせてきた。民衆にとって、森林、地下、山岳、沼沢地など特異な環境世界は、怪物のすまう場であった(138頁)。2016/04/17
Porco
15
単行本未収録の文章を束ねて1冊にしたもの。こういうのはやはり読みづらいです。2019/10/07
ソノダケン
4
「アーサー王伝説」は個人の創作か、実在の指導者の活躍を口承で語り継いだものか、論争は決着していない。誰がどう伝承したか證明できないうえ、首尾一貫した物語構造は高度な知的訓練をうけた作者の存在を示唆し、民衆の介在を排除する。判明しているのは12世紀中葉以降のフランスの詩人・作家たちが、ケルト色を薄めた伝説をヨーロッパにひろめたこと。2015/01/18
numainu
3
評価C2015/11/24