目次
第1章 カレツキ入門
第2章 カレツキの資本主義経済研究における『景気循環理論』の位置
第3章 カレツキ資本主義経済論体系の形成と展開
第4章 カレツキの開発経済学
第5章 カレツキ開発経済学の実践
第6章 カレツキの比較経済体制論
第7章 「マルクス主義者」としてのカレツキ
第8章 「根本的な改革」から「決定的な改革」へ―カレツキにおける史的唯物論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふみすむ
6
本書は著者の博士論文に加筆したもの。ミハウ・カレツキはポーランドの経済学者である。カレツキがマルクスの分析道具を用いてケインズよりも先に「有効需要の原理」に到達したことはもはや経済学史上の定説となっている。ポストケインズ派の研究でカレツキは頻繁に引用されるが、単体で扱った書籍は本邦ではこれが初となる。また、カレツキは社会主義時代ポーランドの経済運営に携わり、イスラエルやインドやキューバを訪問して現地経済の分析と政策提言を行っている。カレツキの社会主義経済論や開発経済学を射程に含めた本書の意義は大きい。2019/07/10