出版社内容情報
株主価値第一主義企業観から敷衍されるコーポレート・ガバナンス、企業目的論を批判的に検討し、対照的なステイクホルダー型企業観の視点から諸問題を論じる。
内容説明
新自由主義に基礎を置く経済政策が深刻な社会的諸問題を生み出してきた今日、それと一体の株主中心的企業モデルを問い直すとともに、改めてヨーロッパ・モデルの持つ現代的意義に目を向けてみることは、意味のあることと思われる。本書の意図するところは、まさにこの点であり、その課題を、三部に分けて考察する。
目次
第1部 アメリカ型企業モデルの再検討(株主主権的企業観の問題性―経営学の新たな課題;会社は株主のものか―株主主権論の主張と問題;アメリカ型ガバナンス論の理論的限界―「構造的支配」概念の視角から)
第2部 ヨーロッパ型企業モデルの理論と実際(EUの統合深化とヨーロッパ会社(SE)―利害多元的ヨーロッパ・モデルの進展
現代企業社会の特質と管理活動―ハンス・ウルリッヒの見解を中心に
企業発展と持続可能性―ドイツ企業におけるCSRの規範的マネジメントへの包摂
「経営者の社会的責任」論批判と企業倫理論の構想―シュタインマンの見解について)
第3部 現代企業をとりまく諸課題(現代企業とステイクホルダー・マネジメント―何故に企業不祥事は絶えないのか?;現代企業の倫理と風土;地球環境問題と現代企業の社会的責任;非営利組織の現代的意義と企業へのインパクト;企業と地域社会―21世紀の企業の役割と課題;現代企業の経営哲学)
著者等紹介
片岡信之[カタオカシンシ]
桃山学院大学教授・博士(経済学)
海道ノブチカ[カイドウノブチカ]
関西学院大学教授・商学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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