内容説明
茶道の祖師とは誰か。常識を覆し、道元禅師と茶の関係を究明した画期的労作。あらゆる権威から人間を解放することに生涯を賭した著者は、みずからの主題であった茶の湯の権威さえも解体しようとした。そこに見えてきた真理とは…。『永平広録』を読み解きつつ、茶道の本質を見据える迫真の遺著。
目次
何事にも因って来たる由縁がある
北条氏の時代に胚胎した「茶」
『永平広録』の中で「茶」にかかわる箇条
雲喜ぶ気、山を愛するの愛
道元はどんな言葉を使っていたのだろう―中世の日常語の問題
将錯就錯
利休の茶、仮説によるアプローチ
利休没後四百年
茶杓
日本茶(煎茶)にシュガーを入れて飲んでみようか〔ほか〕