出版社内容情報
空海の生き方に現代のうつ・いじめ・自殺・SNS依存などを解決するヒントがあると考えた、聖路加国際病院の精神科医の提言。
【本書の構成について】
本書の、第1章?第7章の各章は、それぞれ、
「《表》 空海の生涯をみる」
「《裏》 現代の問題をみる」
「《まとめ》 空海が現代をみたら」
という、3つの部分によって構成されています。
《表》では、空海の生き方や、空海にまつわるさまざまな事件を、年代別に紹介します。
《裏》では、《表》で紹介した空海の生き方とは対照的と思われる、現代社会が抱えるさまざまな問題を、精神科医の立場でとりあげます。
《まとめ》では、《裏》でとりあげた現代の問題を解決するためのヒントを、《表》で紹介した空海の生き方の中に探ります。
私たち現代人は、空海の生き方から何を学べるか……という視点をもって、各章の《表》《裏》《まとめ》の3つを、順番にお読みいただけたら幸いです。
[ 目 次 ]
【本書の構成について】
はじめに─空海との出会い
精神科医として感じていた「壁」/弘法大師=空海が腑に落ちる/高野山大学大学院で空海思想を学ぶ/空海の生涯を《表》、現代の問題を《裏》として対比したい
第1章 子供は愛情をもって育てるもの
第1章《表》 空海の生涯をみる
○空海の誕生 ○空海の育てられ方
第1章《裏》 現代の問題をみる
●現代にみられる未熟な育て方 ●現代にみられる虐待─虐待死の8割は3歳以下
第1章《まとめ》 空海が現代をみたら
第2章 思春期は悩むもの
第2章《表》 空海の生涯をみる
○空海はなぜ退学したのか? ○大学中退後の空海 ○モラトリアム人間としての空海
第2章《裏》 現代の問題をみる
●現代にみられるいじめ問題 ●いじめ防止のためには ●ゼロ・トレランス政策
第2章《まとめ》 空海が現代をみたら
第3章 青年期は夢を持つもの
第3章《表》 空海の生涯をみる
○遣唐使船─唐での活動
第3章《裏》 現代の問題をみる
第3章《まとめ》 空海が現代をみたら
第4章 壮年期はコミュニケーションするもの
第4章 壮年期はコミュニケーションするもの
○空海と最澄の交流と決別〈?空海と最澄の決別の始まり/?密教観の違い/?修道観の違い〉
第4章《裏》 現代の問題をみる
●現代におけるコミュニケーション ●インターネット時代のコミュニケーション・スタイル ●「SNS依存症」とは? ●「SNS依存症」の分類
第4章《まとめ》 空海が現代をみたら
第5章 中高年期はうつ病に注意するもの
第5章《表》 空海の生涯をみる
○空海はうつ病だった? ○第1回目のうつ病=「空海生年四十、期命尽くべし」 ○第2回目のうつ病=「人、金剛にあらず」 ○第3回目のうつ病=「両楹夢に在り、三泉忽ちに至る」
第5章《裏》 現代の問題をみる
●現代におけるうつ病と自殺問題〈?自殺研究班(保坂班)の研究成果/?ゲートキーパーへの啓発・研修/?「こころの安全週間」の制定/?在宅介護者のうつ病とその対策/?介護うつへの対策〉
第5章《まとめ》 空海が現代をみたら
第6章 円熟期は社会を見つめるもの
第6章《表》 空海の生涯をみる
○空海の円熟期─『即身成仏義』を読む ○空海の円熟期─空海と東寺の関係について〈?東寺の創建について/?嵯峨天皇と空海の関係について/?東寺時代の空海〉
第6章《裏》 現代の問題をみる
●現代の円熟期─40歳代、50歳代をどう生きるか? ●現代の円熟期─断捨離のすすめ ●現代の円熟期─ソーシャル・サポートの構築を ●現代の円熟期─2度目の人生を愉しむ
第6章《まとめ》 空海が現代をみたら
第7章 死はプロデュースするもの
第7章《表》 空海の生涯をみる
○空海の死に方 ○密教と一般的な仏教の死生観
第7章《裏》 現代の問題をみる
●現代人の死に方 ●わが国におけるがん告知と末期医療 ●がんの告知と精神症状 ●余命期間が短いほど、誰もそれを奪ってはいけない ●エンディング・ノート ●「自律性」が保たれている時に余命期間を知るべきだ ●死後の世界をどう信じるか? ●病気のスピリチュアルな意味 ●最近出会った素晴らしい死に方
第7章《まとめ》 空海が現代をみたら
付 録 フィクションの世界の空海論について
あとがき
保坂 隆[ホサカ タカシ]
1952年、山梨県に生まれる。聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授。 1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科に人局。 1990年より2年間、米国カリフォルニア大学ロスアンゼルス校精神科へ留学。1993年に東海大学医学部講師、2003年より同大学医学部教授を経て、2010年より現職。2012年より高野山大学大学院密教学修士課程(通信制)で空海思想を学び、2014年卒業。著書には『人生の整理術』『老いを愉しむ習慣術』(以上、朝日新書)、『打たれ強い人になる』(中公新書ラクレ)、『精神科医が教える心の疲れがたまったときに読む本』(だいわ文庫)、『人間、60歳からが一番おもしろい!』(知的生きかた文庫)、『がんでも長生き?心のメソッド』(マガジンハウス)などがある。
内容説明
精神科医の著者は、空海の生き様に魅了され、そこに現代の社会病理を解決するヒントがあると思い至る。うつ、いじめ、自殺、SNS依存、少子高齢化などの問題に対して、日本仏教の偉人・空海が教えてくれることとは。空海の生涯を「表(おもて)」、現代の問題を「裏(うら)」として対比させる、新しい提言のかたち。
目次
第1章 子供は愛情をもって育てるもの
第2章 思春期は悩むもの
第3章 青年期は夢を持つもの
第4章 壮年期はコミュニケーションするもの
第5章 中高年期はうつ病に注意するもの
第6章 円熟期は社会を見つめるもの
第7章 死はプロデュースするもの
付録 フィクションの世界の空海論について
著者等紹介
保坂隆[ホサカタカシ]
1952年、山梨県に生まれる。聖路加国際病院リエゾンセンター長・精神腫瘍科部長、聖路加国際大学臨床教授。1977年、慶應義塾大学医学部卒業後、同大学精神神経科に入局。1990年より2年間、米国カリフォルニア大学ロスアンゼルス校精神科へ留学。1993年に東海大学医学部講師、2003年より同大学医学部教授を経て、2010年より現職。2012年より高野山大学大学院密教学修士課程(通信制)で空海思想を学び、2014年卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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