内容説明
迷いの世界から密教の悟りにいたる道筋のすべてが、宇宙仏・法身大日如来に包まれていると説く空海の「十住心」思想。本書は、真言宗伝統教学の最高峰と近代哲学との出会いから生まれた、その本格的な入門書である。
目次
第1章 日本真言教相の書―「二十五巻章」、特に「十巻章」について
第2章 『秘蔵宝鑰』について―十住心と、その二門四義
第3章 世間三心
第4章 小乗二心
第5章 権大乗
第6章 実大乗
第7章 真言密教
付録 『弁顕密二教論』について
著者等紹介
金山穆韶[カナヤマボクショウ]
明治9年、富山県に生まれる。高野山天徳院住職、高野山宝寿院門主を経て、昭和9年教育功労者、15年高野山大学学長、28年高野山金剛峯寺座主・高野山真言宗管長。33年没。近代高野山を代表する行学兼備の高僧で、肉食・妻帯せず、今なお広く尊敬を集めている
柳田謙十郎[ヤナギダケンジュウロウ]
明治26年、神奈川県に生まれる。小学校教諭・校長などを経て、大正11年京都帝国大学入学、昭和20年文学博士。西田幾多郎に傾倒し、高野山大学でも教鞭をとる。戦後は唯物論に転向し、日中友好協会会長などを務めた。昭和58年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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