内容説明
『大乗荘厳経論』の「一乗」解釈は“菩薩だけが成仏できる”という“三乗真実説”であるが、“一乗真実説”を説いていると一般に考えられてきた『勝鬘経』や『宝性論』も、実は“衆生の一部分は成仏できない”という“一分不成仏”説を説いているのではなかろうか。再び“如来蔵思想とは何か”を問う。
目次
第4章 『宝性論』の種姓論(仏性と種姓;『宝性論』における“vi´suddhi”;『宝性論』における“一切衆生如来蔵”と“二種の種姓”説;『宝性論』における「如来」の解釈;仏性を浄化する種性;『智光明荘厳経』と『性起経』;一闡提無涅槃説の解釈)
第5章 瑜伽行派の一乗思想(『大乗荘厳経論釈』“一乗思想”関説部分のテキスト・漢訳・和訳;『大乗荘厳経論釈』“一乗思想”関説部分の考察;“声聞授記”に関する瑜伽行派の解釈)
第6章 『勝鬘経』の思想的立場(『勝鬘経』と「化城喩品」;『楞伽経』における「意生身」と「不可思議変化死」;『勝鬘経』における“二乗方便説”の意義)
著者等紹介
松本史朗[マツモトシロウ]
1950年東京に生れる。1973年駒沢大学仏教学部仏教学科卒業。1981年東京大学大学院博士課程(印度哲学)満期退学。現在、駒沢大学仏教学部教授、博士(仏教学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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