内容説明
本書は、与謝野晶子の第五歌集『舞姫』の初版本を底本とし、302首をその配列順に配列して全釈を施したものである。初版本以前に雑誌や新聞に発表したもの、新潮社版の『晶子短歌全集』第一巻、改造社版の『与謝野晶子全集』第一巻の改作したものを夫々の歌に載せ、初版本との違いを示した。全釈は一首毎に、〔語釈〕〔訳〕(評)をつけた。〔参考資料〕は晶子の自釈した『短歌三百講』を掲載した。
感想・レビュー
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双海(ふたみ)
16
逸見先生の訳を語尾など変えて、より女性らしくしてみた(笑)⇒⇒⇒「うたたねの夢路に人の逢ひにこし蓮歩のあとを思ふ雨かな」:うたた寝をしていた夢の中で恋しい人が私に逢いに来てくれたことがあってね、その美しい人の歩く姿が思い浮かんでくるの、雨の降るのを眺めていると・・・。 「さくら貝遠(とほ)つ島邊(しまべ)の花ひとつ得(え)つと夕(ゆふべ)の磯ゆく思(おもひ)」:さくら貝を見るとね・・・なんだか遠い島に咲く花の1つを手に入れたように嬉しいわ、そしてきっと私は夕べの磯を歩いてゆくのね。2016/11/07