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出版社内容情報
アニー・ディラード[アニー ディラード]
著・文・その他
柳沢 由実子[ヤナギサワ ユミコ]
翻訳
内容説明
ものを書こうとしているすべての人へ。“書く生活”のバイブル、ついに復刊!
著者等紹介
ディラード,アニー[ディラード,アニー] [Dillard,Annie]
1945年、アメリカ、ペンシルヴェニア州ピッツバーグに生まれる。63年、ヴァージニア州のホリンズ・コレッジ英文科に入学。大学2年のとき、教授のリチャード・ディラードと結婚。88年に、H.D.ソローの研究家であるロバート・リチャードソンと三度目の結婚。作品にはピュリッツァー賞を受賞した“Pilgrimat Tinker Creck”(1974、邦訳『ティンカー・クリークのほとりで』めるくまーる社)他。自然に対する深い感覚と精緻なスタイルを備えたその作品は、ヨーロッパ各国にも翻訳され、きわめて高い評価を得ている
柳沢由実子[ヤナギサワユミコ]
1943年、岩手県に生まれる。上智大学文学部英文科卒業。ストックホルム大学スウェーデン語科修了。女性文学の翻訳、内外の女性事情についての評論、講演がおもな活動。ヤンソン由実子名義での著書もある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紫羊
20
素晴らしいエッセイ。でも、この人の書く小説は面白くないんだろうなと思いながら読んでいた。そんななか、最後の第七章の地質学者にしてスタントパイロット、デイヴ・ラームの話は読み応えがあった。帯の「ものを書こうとしているすべての人へ」という惹句は違うような気がする。2024/02/10
hide
18
言葉の列は思考となり、道具となり道を拓く。その道の先は、新しい未知なる場所。振り返る道はあまりにも脆弱で見るに耐えない。プロセスに意味を求めるな。跡を消すがいい。それでも人はその苦労を、どれだけの努力を払ったか知って欲しいと願う。まるで正札を外さなかったプレゼントみたいに。それでも言葉の列は動脈の中に侵入し、溢れる息とともに心臓に入り込み、血や筋肉となる。言葉の列による隠喩の逸話の数々が語る。これもまたひとつの物語なのだから。2024/01/21
kubottar
14
題名だけを見れば、本を書くためのハウツー本の印象が強いが、中身は作家のエッセイです。モノを書く人たちは普段どのような生活をしてどのようにインスピレーションを得ているか。正直かなり読みづらいのは、自分の頭を使って読まなければならないからだろう。最近は簡単なビジネス書を読むことが多くなっていて読解力が落ちたのだと思ってしまう本でした。2022/12/22
のっぽ
10
いわゆるハウツー本の類ではなく、書くこと、書く生活、書く一生について著者が語った本。内容は正直難解。日常の描写と「書くこと」を行き来する構造で、日常の描写は書くことについてのメタファーになっていることが多い。それ故に、注意深く読まないと何を言わんとしているのか分からなくなる。実際、読みながら何度も迷子に。心に残ったのは、書くことは紙が教えてくれる、書くことに自己を溶け込ませて初めて優れたものを書ける、といった言葉。短い言葉が素早く飛び交う現代でも、その真理は変わらないのかも。2022/12/25
paluko
9
印象に残ったことばを引用しようと思ったら、本書をまるごと書き写すことになるくらい、含蓄に富んだ言葉のオンパレード。と同時に、ものすごく静かな本。「書かれた言葉は弱い。多くの人は人生のほうを好む」(59頁)「薪割り台をめがけて斧を振り下ろすのだ。薪をめがけてはだめだ。薪を通過し、薪の下の台をめがけるのだ」(100頁)。スフィンクス蛾の話、飛行家デイヴ・ラームの話(「ラームが空に紡ぎ出す線は、古い線の端から新しい形を作り出すのだった)。小さな本なのに索引も付いているので、感銘を受けたエピソードを楽に探せます。2023/08/07