内容説明
旅と酒。そして、全国津々浦々にいる仲間たち!幼少の頃、耳川で渓谷の美しさを知り、美々津で海を見て以来、旅に明け暮れる人生を運命付けられた牧水。実に生涯の9分の1の歳月を過ごした旅の空、そこには常に山水の風景、森に遊ぶ鳥たちの声、そして気の置けない仲間たちと酌み交わす酒があった。その牧水の紀行文のなかから傑作だけを選りすぐり、牧水の人生に重ねて編年でまとめた決定版。田畑書店・若山牧水散文シリーズ3部作、ここに完結!
目次
1 行かむかな 行かむかな(秋乱題(その一)
裾野より―緑葉兄へ
古駅
岬の端
津軽野
羽後酒田港
山寺
山上湖へ
水郷めぐり)
2 水のまぼろし 渓のおもかげ(渓をおもう;或る旅と絵葉書;木枯紀行;鳳来寺紀行;北海道雑感;流るる水(その二))
3 みなかみ紀行(みなかみ紀行)
著者等紹介
若山牧水[ワカヤマボクスイ]
1885(明治18)年、宮崎県生まれ。延岡中学時代から作歌を始める。早稲田大学英文科卒。早大の同級生に北原白秋、土岐善麿らがいた。1910年刊の『別離』は実質的第一歌集で、その新鮮で浪漫的な作風が評価された。11年、創作社を興し、詩歌雑誌「創作」を主宰する。愛唱性に富んだリズミカルな作風に特徴があり、人口に膾炙される歌が多い。28年、自宅で死去。享年43歳
正津勉[ショウズベン]
1945(昭和20)年、福井県生まれ。72年、『惨事』でデビュー。詩集・小説など幅広い分野で執筆を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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