内容説明
偶然に恩師の病気退職を知った教え子はたったひとりで卒業式を開くことを思いつく。彼が注いでくれた深い愛情に応えようとする姿を描いた「仰げばとうとし」。旅立ちの朝、父がアイロンをあててくれたジャケットを着た娘の決意を描いた「背筋を伸ばして」。家族を捨てたことを後悔する女性とその母を待つ息子の優しさが胸を打つ「あの家に帰りたい」ほか。やさしい涙がこころにしみる12篇の短篇小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
45
涙シリーズ2冊目。生と死は二つで一つ。生を受けたからには死ぬまで自分と言う者と生き抜かなくてはならない。時には傷つけられ、また自分の知らないうちに(知っていても)誰かを傷つける。本当に優しい人ってどんな人なんだろう。甘い言葉だけを投げかける人か時にはきつい言葉で諭してくれる人か。これは時が過ぎて初めて会得できる心理。今回は、涙と言うより凝り固まった心を解きほぐしてくれるような作品が並んでいる。自分を大切にしてくれる人とのかかわり方。そして自分が大事な人とのかかわり方。春の光のように優しく諭してくれる。2012/04/13
よしりん
11
『仰げばとうとし』と『願掛け』が好きだった。このシリーズは短編集だから気軽に読めるけど読む場所は選ばないと危ない危ない(笑)2015/02/15
メルモ
8
恩師のために開いた卒業式。みんなには嫌われていたが私には違った・・・。教え子が語る恩師の愛情「仰げば尊し」が、一番良かったかな。2014/05/29
そのぼん
6
優しげなストーリーを集めた超短編集。一話が本当に短いので気軽に読めました。2011/11/24
心愛
6
『じゅげむ』が良かったです。他はあまり泣けませんでした。今回は花を読みましたが、他のシリーズの方が泣けるお話は多かったと思います。一人静かな部屋で読むと涙で心が洗われて、あったかくなれる気がします。2010/12/27
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