内容説明
ドイツ人ヴィオリストのマグダレーナ・ラファイエットは、ある演奏会の後、アメリカのメディア権力者ナポレオン・ニューマンから彼の私設オーケストラへの誘いを受ける。最初乗り気でなかったマグダレーナも次第にニューマンの魅力に惹かれていき、オーケストラに参加するため、アメリカのニューマンの元へ。到着して翌日、初リハーサルで演奏することとなった曲は、失われたはずのバッハ作曲の協奏曲であった。舞台をライプツィヒ、ロンドン、そしてロサンゼルスに移しながら、新たに現代によみがえったバッハのオリジナル曲を巡って争奪戦が繰り広げられる、珠玉の音楽ミステリー。
著者等紹介
クナウアー,セバスティアン[クナウアー,セバスティアン] [Knauer,Sebastian]
作家、ジャーナリスト。1949年マンハイム生まれ。ミュンヘン及びモントリオールにて政治経済学を学ぶ。1970年からドイツの通信社でジャーナリストとして勤務。その後、スターン誌、シュピーゲル誌の政治記事の編集に従事する傍ら、政治と犯罪の間にある緊張をテーマに、いくつかの犯罪小説を執筆。現在、ヨハン・セバスティアン基金に関わっており、ハンブルクの聖カタリーナ教会のバッハ・オルガン・プロジェクトに参加している。また、2000年以降、ハンブルク大学のジャーナリズム学及びコミュニケーション研究所で講師を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tom
7
後書きを読んだところ、バッハ好きの人が、楽しみながら翻訳した本らしい。推理小説としては、少々、乱暴すぎて、物足りないところが多いけれど、バッハの失われた楽譜というテーマは、なかなか珍しい。うんちく本として、ちょっと楽しみました。2014/06/20
rena
4
バッハの未発掘の楽譜を巡る、メディア王と美しいビオラ奏者のミステリー 未発掘の楽譜が見つかって独り占めにして 自分の楽団を作ってしまうというのもありそうで興味深い。バッハの青春時代のこと も時代背景など色々な想像をしつつ気軽に読めるミステリーだった。2016/01/07
まゆ
3
知り合いの上司が翻訳した!という本で勧められて読んでみた。ドイツのミステリー本。 クラシック好きな人には面白いミステリーになってるが、最後はもう少し盛り上げても良かったのではないか? バッハは奥の深い作曲家でマニアも多いと思っていたが、海外では未発表曲を題材にこんな小説まで書かれているほどなんだなあ、と改めて認識。2022/01/15
ヒラタ
0
翻訳をされた方とたまたま席が隣り合わせになり、独学でドイツ語を勉強されて、出版されたということでしたので、とても驚きました。はじめの方はちょっと読みにくい感じでしたが、途中からはハラハラしながら読ませていただきました。ただ逮捕に至るところがサラッとしすぎていてちょっと残念。ラストの訳者付記は音楽に不案内な私にとって、洒落たエンディングなのだという理解の助けになりました。2014/12/28
琵音
0
バッハの未発見楽譜が大量に発見された!?というクラシック音楽界的にはかなり衝撃的?な事件を軸にアメリカの富豪とそのボディガード、美人の音楽家、コンピューターの専門家、探偵、と道具立てが揃ったドイツ風?二時間ドラマみたいな内容のような感じがします。内容を盛り込みすぎに思われますし、謎解きには爽快感がありませんが、バッハが器楽曲を多く作曲していたケーテンの教会の雰囲気や歴史に埋もれたバッハの秘密のような描写もあって、バッハ好きには結構楽しめる内容。ただし冒頭は結構文章がこなれていないので読みにくいかも。2014/08/11