出版社内容情報
日本の空港、駅、行政機関などの公共施設や観光関連施設などで見かける不自然な英文表示や分かりづらいサインデザイン。
英語情報だけが頼りの人の目線で今の日本を歩き回ると、とても困ることに気づきます。たとえば「STOP! 歩きタバコ」のような一部だけが英語の表示は、何を STOP しろと言われているのか読み手には伝わりません。また、一般の人には分かりにくい特殊な略語が使われているサイン、文字を左右から極端に縮小して非常に読みづらくなっているサインも増え続けています。
訪日外国人が3000万人を超え、オリンピック・パラリンピック開催を控えた現在、きちんと伝わる英文案内・表示(英文サイン)の整備がされなければ、将来のインバウンド需要は先細りになることは明らかです。
本書は、欧文書体デザインと英文翻訳の専門家がそれぞれの視点から日本の英文表示の問題点を提起し、コンパクトでも伝わりやすい英文とその見せ方について解説します。実際に、元の文章の7割から半分程度の長さでも意味が伝わり、しかも元の見せ方より読みやすいデザインの具体例も示していきます。
誰にでも分かりやすい表示は、ユニバーサルデザイン、インクルーシブデザイン、ソーシャルデザインの観点からもこれからますます重要になってきます。公共機関、行政、観光などの担当者やそうした仕事に関わるデザイナー必読の一冊です。
公益社団法人日本サインデザイン協会常任理事・武山良三氏推薦
海外旅行をすると、日本人が大勢立ち寄る観光地で日本語のサインを見かける機会が増えた。親しみを感じる一方で、日本人なら瞬時に気づく間違いや、変なデザインに苦笑いすることがある。しかし、自分達も同じあやまちをおかしているとしたら…?!小さなお店なら愛嬌で済まされるかもしれないが、国の顔ともなる空港や鉄道駅でとなると笑ってはいられない。
文字のデザインについては専門家であり、海外と日本とを頻繁に旅している小林章氏と、翻訳の実務を通じて編集のプロである欧米人との交流が豊富な田代眞理氏とが、長年の事例研究を元にまとめた本書は、日本人が知らず知らずにおかしている英文表示のあやまちを利用者目線からわかりやすく解説した。サイン関係者待望の一冊であり、インバウンド旅客増を期待するすべての関係者が知っておくべき内容として、隅々まで目を通して貰いたい。
内容説明
欧文書体デザインの専門家と実務翻訳家による分かりやすい英文案内・表示のための解説書。内容・見た目ともに不自然な英文情報を改善し、日本を訪れる外国人にとって読みやすい表示に!本当に伝わる英文サインに向けた提案。観光・公共・行政の英文表示担当者必読。
目次
1 インバウンドに対応できる日本を(入り口だけ英語、あとは日本語;Hello Work、Ishitsubutsu Centerは伝わるのか? ほか)
2 公共サインに自分ルールは要らない(ロゴの表記をサインで再現するのか?;大文字だけの単語はどう見える? ほか)
3 一段上の英文に見えるコツ(横線には3種類ある:ハイフンとダーシの使い分け;マヌケ引用符をやめて素人臭さから抜け出す ほか)
4 利用者目線の英文ガイド(翻訳と書体デザインができること:改善案紹介;翻訳者の視点:よい翻訳に必要なチームワーク ほか)
巻末 読みにくい英文の主な原因と解決策
著者等紹介
小林章[コバヤシアキラ]
ドイツ・モノタイプ社タイプディレクター。欧文書体の国際コンペティションで2度のグランプリを獲得して2001年よりドイツ在住。有名な書体デザイナーであるヘルマン・ツァップ氏やアドリアン・フルティガー氏と共同で欧文書体開発を手がけたほか、日本語書体「たづがね角ゴシック」のディレクションを担当した。欧米、アジアを中心に講演やワークショップを行い、世界的なコンテストの審査員も務めている
田代眞理[タシロマリ]
1990年代初めより、日英・英日の実務翻訳、校閲、編集に携わる。英文の書籍、冊子、報告書など出版物の制作にも多く関わり、欧米人編集者とのやり取りを通じて英文表記スタイルへの理解を深めるようになる。近年では書体・タイポグラフィ関連の翻訳、公共サインの英語に関する記事執筆も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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