感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
花林糖
17
(図書館本)表紙に惹かれて借りたら、想像以上にマニアックな本でした。幽霊列車とは、廃車を連ねた回送列車が夜明けに発車ベルも鳴らず時刻表にも載らず、その様が幽霊列車に見える為だそうです。廃車の基地から解体工場まで、廃車になり朽ち果てそうな列車等、其々マニアックな解説と共に楽しめました。廃車は日本以外にドイツ・アメリカ・オーストリア・オーストラリア・フィリピン・タイの物も掲載。2020/11/15
arisaka
7
幽霊列車とはオカルトではなく、時刻表に乗っていない廃車を運行していくこと……らしい。究極の葬式鉄というより、もはや墓参り鉄なのではないかと思う著者は、廃車車両の輸送計画書などの資料も入手。公開してくれているけど、さっぱりわからん。前半は廃車車両の基地や廃棄される様子、後半は日本や世界で置き去られている廃車の写真集。鉄が朽ちて緑に呑み込まれていく様子は、廃屋の廃墟写真とはまた趣が違って良いものでした。2020/05/15
Mik.Vicky
6
素晴らしい・・・このようなマニアックなジャンルを本にしてしまうところ。著者に感謝。 掲載されている車両は子供のころに見たことがあったり乗ったことがある物もあった。古き良き野蛮な昭和時代を思い出す。2020/05/25
やまほら
5
数ある鉄道書の中でも「奇書」の最上位に入ると言っていいであろう。前半は、国鉄からJRに継承されなかった車輌達の留置から解体まで(その間の移動を「幽霊列車」と呼んでいる)の記録。後半は海外も含めた廃車体の写真集。全編ぼろぼろ、見るも無残というか、汚いというか、目を背けたくなるような写真が並ぶ。しかし、特に前半は唯一無二の貴重な記録と言っていいだろう。解体場所への回送のため、本線を走行するための最低限の補修を計画的に行っていた等、「なるほど」と思わされる内容が多かった。2020/03/08