内容説明
ドイツ軍ジェット機の大きな脅威に対抗するため、1943年にターボジェット戦闘機開発を目的に生まれたのが、現在のロッキード・マーチン社の先進開発プロジェクト(ADP)である。その名は「スカンクワークス」。すべての始まりであるXP‐80から、ジェット戦闘機とジェットエンジン、そしてミサイルと無人機、飛行船、艦船など80以上のプロジェクトについて紹介。量産されたものは一部で、多くは試験段階に生き残れず姿を消している。あらゆる手段を尽くしてこれらを調べ上げ、結果としてその技術やスペックにとどまらず、おのおのの歴史的背景にも踏み込んでいる。F‐94スターファイア、U‐2、F‐104スターファイター、SR‐71ブラックバード、F‐117ナイトホーク、F‐35ライトニング2のような伝説的な航空機にとどまらず、過去の知られざるプロジェクトからSR‐72極超音速偵察機のようにまだ提案段階にある機体まで取り上げ、南カリフォルニアにあるロッキード施設や、かつては極秘であった試験場で撮影されたプロジェクトの珍しい写真は300枚を数え、さらに数10枚の挿絵がそれを補っている。
目次
01 1940年代:明日の翼の創造
02 1950年代:来るべきテクノロジー
03 1960年代:最先端技術を推進
04 1970年代:魔法の時代
05 1980年代:混迷する事業
06 1990年代:有人機VS無人機
07 2000年代:得るは捨つるにあり
08 2010年代:大躍進
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すーさん
2
スカンクワークス75周年記念大型カタログとでも言うべき本。しかし、その全仕事のうち公開されているのは20%に過ぎないのだとも文中で語られている。数々の先進技術を世に送り出してきたスカンクワークスが次は何を出してくるのかと期待してしまう(核融合炉の続報もまだまだみたいだし)2018/12/13
S.ISO
1
本書から実用化に至らなくても、試験機の開発や設計提案、コンセプト提案などを通して、スカンクワークスが大量の経験値や知識を常に獲得し、それを反映して斬新で航空機を提案し続けていることがよくわかった。成果をあげるだけの積み重ね、投資が別格。2018/11/25