出版社内容情報
氷の下に潜むのは希望か、絶滅か?
そこは、神が「人類に禁じた」聖域──
解き放たれる「終末の兵器」を前に、シグマは最大の決断を迫られる!
ジェームズ・ロリンズが放つ、究極の科学冒険譚!
「ヒュペルボレアの人たちを滅ぼしたものを恐れよ。
ひとたび解き放たれれば、それは我々すべてを滅ぼす」
──中世の消失した旅行記『インヴェンティオ・フォルトゥナタ』より
伝説は今もなお、力を秘めている。
しかも、私がまだ触れていないロシアの歴史的な文書──秘密の勅令にまつわるものが一つある。
本書のページをめくって中身を読めば、伝説が世界を破壊しかねないということを理解できるだろう。
さらに問題なのは……それを阻止するにはすでに手遅れかもしれないのだ。
──ジェームズ・ロリンズ?
〈あらすじ〉
黄金の蔵書とそこにあった中世の地図から伝説の北の大陸ヒュペルボレアの所在地を突き止めたグレイたちだが、アークエンジェル協会の息のかかったロシア軍の一派も彼らの後を追っていた。太陽フレアによる磁気嵐で外部との通信が遮断された状況のなか、領土の拡大と氷の下の資源の獲得を目論むロシアを阻止するため極北の地で決死の争奪戦が始まる。先人たちが残した警告の言葉――「眠りしものを決して目覚めさせてはならぬ」は何を意味するのか? グレイたちがたどり着いた地には想像を超える「驚異と恐怖」が存在していた。生き残るのはシグマなのか、ロシア軍なのか、ネオギルドなのか? それとも、世界を巻き込む戦争の勃発と終末の日を回避する術はなく、すべてが滅びる宿命なのか?
?歴史的事実から──北極の伝説「ヒュペルボレア」と現代の地政学
北極への関心は古くから存在し、古代ギリシア人は極北の地に「ヒュペルボレア(北風の彼方の地)」という理想郷を夢想していた。この伝説は、不死に近い人々が暮らす豊かな大陸として何世紀も語り継がれ、中世の修道士の記録やメルカトルの詳細な地図にも影響を与えている。メルカトルは16世紀、北極に磁石の山や未知の大陸を描いた初の北極地図を作成したが、後の探検により地理的な実在性は否定されている。
しかし、この伝説は形を変え、現代ロシアの政治思想に大きな影響を及ぼしている。哲学者アレクサンドル・ドゥーギンは、ロシア人をヒュペルボレア人の末裔と位置づける「ヒュペルボレア理論」を提唱。このウルトラナショナリズム的な視点はロシア軍の教本にもなり、クリミアやウクライナへの軍事介入を正当化する思想的根拠の一つとされている。
かつての冒険家たちが追い求めた未知の大陸の伝説は、今やロシア国家の運命と結びついた神学的な情熱となり、現代の地政学的な緊張を煽る危険な力を秘めている。歴史的な空想が国民感情を動かし、世界を不安定化させる要因となっている事実は、北極が単なる資源の地ではなく、深い思想的対立の舞台であることを示している……。
【目次】
内容説明
黄金の蔵書とそこにあった中世の地図から伝説の北の大陸ヒュペルボレアの所在地を突き止めたグレイたちだが、アークエンジェル協会の息のかかったロシア軍の一派も彼らの後を追っていた。太陽フレアによる磁気嵐で外部との通信が遮断された状況のなか、領土の拡大と氷の下の資源の獲得を目論むロシアを阻止するため極北の地で決死の争奪戦が始まる。先人たちが残した警告の言葉―「決して眠りしものを目覚めさせてはならぬ」は何を意味するのか?グレイたちがたどり着いた地には想像を超える「驚異と恐怖」が存在していた。生き残るのはシグマなのか、ロシア軍なのか、ネオギルドなのか?それとも、世界を巻き込む戦争の勃発と終末の日を回避する術はなく、すべてが滅びる宿命なのか?
著者等紹介
ロリンズ,ジェームズ[ロリンズ,ジェームズ] [Rollins,James]
1961年イリノイ州生まれ。1990年代後半から作家としての活動を始め、2004年に発表した『ウバールの悪魔』に登場した「シグマフォース」を、2005年の『マギの聖骨』から本格的にシリーズ化。歴史的事実に基づきつつ、最新の研究成果や科学技術を取り入れて構成した緻密なストーリーには定評があり、アクションシーンの描写でもアメリカで一、二を争う作家との評価を得ている
桑田健[クワタタケシ]
1965年生まれ。東京外国語大学外国語学部英米語学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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