出版社内容情報
異形の恐怖 七人怪談集
強烈な個性が刻む奇想のアンソロジー
「見られたから、殺せない」
深夜の玄関で遭遇した恐ろしい化け物の姿(「顔面童子とろうろく女」より)
新鋭から熟練まで強烈な個性が光る怪談巧者7名が集結した奇想の怪談競作集第2弾!
・とある遊園地のお化け屋敷に入った者の凄惨な末路「喘鳴館」(蛙坂須美)
・深夜にクローゼットから響く咳の恐ろしい原因「養分」(藤野夏楓)
・訪れた実家で次々と炙りだされる兄の異常性と昏い記憶に彷徨う怪異が絡み合う長編「身裂き」(沫)
・山中で遭遇した異様に巨大な羽虫の大群がもたらす怪「森林管理」(クダマツヒロシ)
・田舎の物件で突如起きた凶事と明らかになる忌まわしき因果「古民家へようこそ」(つくね乱蔵)
・男に襲われる不快な悪夢。その戦慄の原因とは…「亡友二名」(郷内心瞳)
・怪奇現象が頻発する住宅地で体験した身も凍る恐怖「別海町の住宅」(匠平)など全35話収録。
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
長門(ナガト)
1
強者揃いだが、ちとモヤっとする読後感。蛙坂氏。ドミノ?両面から挟まれて色が変わるのはオセロ?下卑た味は健在。叙述トリックを文体でねという試みを感じた。(ほねをくう)藤野氏の養分の素がいいね。沫氏。ミステリーに怪奇を噛ませたキメラ感。いっそ怪奇に寄せない方が話もわかり易い印象。再読狙いなら巧者だね。クダマツ氏。良きイヌタバコ。万が一にも○麻だとしたら腑に落ちてしまうが。狂気な心理へ傾れ込むのも『天棺』の包丁風。つくね氏。古民家も夜泣きも脇が甘い人のラスト。モヤっとの正体は怪奇劇薬摂取への渇望感か。次作期待。2025/08/31
よみちゃん
1
七人それぞれの味わいが楽しめた。ベテラン勢が恐怖のフルコースならば、新人2人は香り高い食前酒やスイーツといったところだろう。若々しさは叩かれるものだが、美酒である。 個人的に『背伸びする婆さん』『森林管理』『養分』が良い。黒木あるじ氏や平山夢明氏を彷彿とさせるような幕開けを感じた。2025/08/30
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- 13歳からのイスラーム