出版社内容情報
東京藝大に入り、東大を出ても根付く劣等感。
その原因はパパとママの…私たち家族の成り立ちにあった。
優等生に見られていた私は、実は家では不安定な母と、
床上60㎝以上のゴミが積まれた汚部屋で暮らしていた。
なぜうちは汚部屋になったのか。
なぜ私は東京藝大を辞めさせられてまで、
東大に入る意味があったのか。
なぜ父は消えたのか――。
大好きだったパパは、実は卑怯な男だった。
私を支配していたママは、実はひとりぼっちだった。
そして私は――
苦しさの原因を自分の責任として背負わされた子どもだった。
目次
episode01 普通じゃないことに気付かれない優等生
episode02 汚部屋で育った私の常識
episode03 パパが死んだら私も死ぬ
episode04 ママが獲った賞
episode05 嫌と言えないかわりに
episode06 学歴に縛られる私たち
episode07 見過ごされる子ども
episode08 一生ママから解放されない
episode09 家が汚部屋になった理由
episode10 真実のヒントはすぐそこに
episode11 パパの死
episode12 パパの戸籍に私はいない
episode13 家を出る
episode14 卑怯なパパ
episode15 ひとりぼっちのママ
last episode バイバイ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鷺@みんさー
36
『汚部屋育ちの東大生』は、何年か前にネットで読んだ。今回は図書館で見つけて、タイトルから「あーそういうことやったんか」と腑に落ちながら借りた。最後まで読んで、やっぱり頭のいい人なんだなと。まとめ方や客観視が上手い。血筋的に生来頭が良かったんだろうな、と思う。一人暮らしの切っ掛けは知らなかったが、なかなか意外で面白かった。そこは神の采配だったのかもしれないね。所謂勉強的な頭の良さだけでなく、総合的な難易度で言えば東京藝大の方が東大よりも上なんだと思う。初めて周りとの差異を気にしなくて生きやすくなったのも良い2024/09/29
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
21
汚部屋育ち本の続編というか明かされた真相が痛ましすぎて。毒親ここに極まれり。どうか著者さんが親のことなどふっきって、幸せな道を歩まれますこと、心より祈念いたします。2023/10/07
ふじ
16
不倫で生まれたとも知らされず、なぜか別居の父、苗字が母と違う、ある日から母とだけ会わなくなる…ある程度大きくなってからは気づきたくもないのだろう。捨てられた母は精神に異常をきたし、それを支えるのも主人公。本当に、おせっかいすぎる人がいなければ抜け出せなかったんじゃないかと思う。最後に自分の境遇を俯瞰して見られるようになった著者のこれからに幸あれ。健全な家族関係って人間関係の第一歩だからほんと大事。2025/01/29
アルカリオン
8
フィクションだとすると出来が良くないので、実話ベースなのだろう。で、実話だとすると、些末な点ではあるが「東大に落ちて東京藝大にいったん進学・仮面浪人。一浪で東大合格」というくだりが引っ掛かる。最近の入試制度には詳しくないが、何が何でも東大ということであれば、前期後期ともに東大を受験するので藝大の受験機会はないのではないかと思うのだが。KindleUnlimited 2024/11/06
くろねこ文学
8
不倫の子として生まれ、父から捨てられ毒親化した母親に育てられた悲惨な実体験を描く。母親のあまりの異常さと主人公が逆らう意思をなくし、母親の異常な過干渉を受け入れてしまうところにイライラした。が、よく考えれば、母親も辛かっただろうし、子どもの主人公の自己防衛的従順も仕方ないのかもしれない。かなり重い内容で、途中読むのがつらかったが、最後、主人公が母親を同情的に理解し、無責任な父親から精神的に離れられ前向きになれたところは良かった。こういう体験談を読むことで同じような思いをしている人の助けになるかもしれない。2023/06/30
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