出版社内容情報
母は怖い顔で俺の口を塞いだ。
アレは確かに禁忌だったのだ…
最後に明かされる、著者自らの体験談。
忌まわしさ。
おぞましさ。
恐れと畏れ。
全ての怪を解放し、全ての頂を超えるシリーズ最終巻!
営業部員が会社のブログで実話怪談を綴り始めたことから生まれた人気シリーズ「闇塗怪談」が本作をもってついに完結。
著者自らの体験を中心に、これまで封印してきたすこぶる曰くつきの話を全て解禁する。
・昏睡状態に陥った著者が見た奇妙な夢…「五日間、眠り続けた」
・火事で被災した人々に食事を振る舞う家に現れた不気味な親子…「そこにいたモノ」
・幼い頃からいつも一緒に遊んでいた二人組の男女。両親はアレとは遊ぶなと言うのだが…「マサル」
・著者の母が幼い頃能登の蔵で見た異形…「鬼女」
・夢に現れる女性の絵を描き続ける男。やがて絵に変化が…「書けなかった話」
ほか、大ボリュームでお届け。
本を閉じても恐怖は終わらない。闇よ、永遠なれ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モモ
34
闇塗シリーズの最終巻。主に石川県の怖い話が多いが、今回は今まで封印してきた話がたくさんある。家にまで憑いてくる幽霊は怖すぎる。今回も怖くて楽しめました。2024/09/08
こちょうのユメ
13
このシリーズもいよいよ最終回。全32話のうち、著者自身の体験談が多く、娘も霊感を発揮して登場する。特徴的なのは、登場人物が亡くなる話が11話もあること。怪異の影響としては異常で、生きている人間には脅威だ。全体として戦慄の連続で、読後はちょっと気分が悪くなるほど。では幽霊や怪異は、人がいなくても年中その場に出現しているのか。あるいは観察者がいるから現象が起こるのか、そんな量子力学的な疑問もうかんだ。果たして、それらの怪異現象をどうにか収めることはできないものだろうか。2025/06/01
eyemu
10
順番をめちゃくちゃに読んでしまって申し訳ないくらい珠玉の怪談ばかりだった気がします。。。 知らない相手とかでなくて、自身や友人・知人が実体験した血の通った怪談…というか。 感触が生々しくて、そして実際に沢山の死と向き合ってきた人なんだなぁ…と、感慨深い。 それと、同時にほんとにゾクゾクしました。 怪異は人に仇をなす。 他人事に思わず、気をつけられる限りは気をつけていこうと気が引き締まる思いでした。2024/06/25
ナオ
10
シリーズ最終巻。1巻目を読んだ時の衝撃とゆーか、興奮は忘れられません。途中、中だるみ感はあったものの、後半盛り返して来たり。あくまでも個人の感想ではあります。人が何に恐怖を感じるのは、それぞれだと思うので。以前に記された最恐の心霊写真の続きの話が怖くて、厭でした。あと、ホントにどーでもいいけど、著者の娘さんに対する「まだ22才」の描写にちょっとした違和感。そこも己の感性なので、そこにひっかかる自分が恐いかも(笑) 母の体験談の「鬼女」に出てくる「生成り」の語感と状況も怖い。また、新刊が出るのを期待2023/01/14
tow
8
とうとう最終巻。もったいなくて読めなかったのだが、いかんせん、コロナで自宅療養中。怪談ばかりを読み漁り、とうとうページを開いてしまった。なんかかわいいおっとりしたお母さんが印象に残り、ラストの怖さが薄れる一冊。いや、怖いんだよ、怖いの。2023/05/12