出版社内容情報
取材の夜叉、川奈まり子がその目と耳と足で集めた108つの禍き怪!
内容説明
『八王子怪談』で話題沸騰の怪談作家・川奈まり子が、日本全国から採話した108篇の恐怖体験談を綴る実話シリーズ第3弾!不可思議な出来事が絶えない千葉県北の家「首洗い場跡の旧家」、江戸期の傑作怪談の故地で今も残る禁忌の真実「累ヶ淵の沈黙」、池袋の超高層ビルで実際に起きた心霊現象の数々「足音の所以」他、徳島の港で頻発する転落事故の裏に怪異が…「誘い神」、前作に収録した、いわき市に出没する超危険な少年霊の後日談「夏の子ども、ふたたび」、人形に憑いた恐ろしい怨霊と“現代の陰陽師”の対決「夢の人形」など収録!
著者等紹介
川奈まり子[カワナマリコ]
『義母の艶香』で小説家デビュー。TABLOとTOCANAで実話奇譚を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
70
百八の怪談を収録した実話怪談シリーズ最新作。個人的にはこの著者の随筆とも怪談とも見分けのつかぬような作風大好きなのだけど、今回は淡々とし過ぎのような…。こういう数で攻めるような怪談は次から次へと話が展開していくうちに不穏な空気が高まっていく、みたいなのが理想だと思うのだが、今回は一つ一つの話があっさりしすぎていてどうも乗り切れないのである。上善如水とはいうものの、ホントに薄まってしまったら上善とはならないので。怪談と文学なら文学の方に比重を置いてしまってるようなので、次は本来の持ち味に戻って欲しいなあ。2021/11/01
あたびー
34
川奈まり子さんの108怪談第3弾。以前の本に話を提供なさった方が新しく語られたお話などもあり、そっちをもう一度引っ張り出して読んだり、時間が掛かった。巻末の参考資料を見ればわかる通り、いつもながら関係資料の読み込みが半端ない。土地の謂れを語る文章などはちょっとした風土記のような風格も感じられる。ところで今回秋津~新秋津間の不思議と言うのを初めて知った。(前回の本で「秋津の本屋」は読んでいたものの、あの辺で怪現象が多発しているとは知らなかった)吉田悠軌さんの動画も視聴してみた。ワクワクする。2022/08/24
マツユキ
19
短い話が百八ですが、同じ人から聞いた話だったり、別の本に収録されている話とつながっていたりで、この本で初めて読む作家さんですが、どういう活動していた人なんだろうと作者自身に興味が湧きました。あっさりめの印象を受けましたが、歴史や文学、個人の歴史などに触れられていて、興味深かったです。2022/09/12
qoop
9
特に近著では怪異の背景に考察を加えるスタイルが特徴といえる著者だが、このシリーズではオーソドックスな実話怪談掌編に務めている(背景への言及は〈閑話休題〉として別立てにして収めているようだ)。語り口が薄味に感じられるのだが、そのせいかも知れない。交渉を加えることで怪異を深めていき、じわじわと本質に迫ろうとする姿勢を取らないのなら、掌編にまとめる上で異なるアプローチが必要なのではないかとも思えた。2021/11/03
澤水月
8
私的事情で怪談読み遅れ。自分、この数ヶ月ツメ不調があったり、本書掲載の某事件で実は広義の仕事仲間が殺害?されもう…頭殴られるような個人的怖さ! 綴りは淡々とし、引用元を多量掲示(民間媒体記事はリンク上書きや消失あるので紙上位がオススメではあります)。…ところでこの本で何回か登場の方、その後ご無事…だったのでしょうか2022/09/24