出版社内容情報
?罪を犯した者の生命を奪う刑“死刑”。しかし、その詳細はあまり知られていない。死刑執行までの過程や死刑の決まりなど、漫画家・一之瀬はちが実際に死刑に立ち会った刑務官から聞いた知られざる話を漫画化。
内容説明
全国の刑務官約18000人中、執行担当に選ばれる確率は年間0.1%!!様々な条件をクリアし死刑に立ち会った男が語る極秘現場をマンガ化!!死刑の執行ボタンは担当刑務官が同時に押すことで誰が床を抜いたかわからない仕組みになっている。死刑と無期懲役の境界線は2人以上殺害したかどうかが大きく関係するといわれている、など。テレビでは放送されない死刑の話がここに!!
目次
執行担当に選ばれる条件
死刑に立ち会う刑務官
死刑囚の暮らし
死刑のルール
精神鑑定
死刑囚の移送
死刑が決まるまでの流れ
処遇部長
刑務所長
死刑に立ち会う医師
死刑に立ち会う検察官
教誨師
調達係 用度
拘置所で起こった事件
コロナ禍の拘置所
死刑にまつわる都市伝説
刑務官の苛酷な仕事現場
著者等紹介
一之瀬はち[イチノセハチ]
5年間のアニメーター生活を経て「本当にあった愉快な話」(竹書房)でデビュー。現在会社員兼マンガ家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さっちゃん
51
刑務官が死刑囚の生活や、死刑執行にまつわる話を漫画で紹介。普段知ることのない世界で興味深い内容だった。懲役囚と違い未決囚と同じ扱いで、刑務所ではなく拘置所で生活し、ストレス軽減のためにおやつも嗜好品もOKとは知らなかった。死刑判決確定後も刑の執行まで膨大な書類の精査に恐ろしく多くの人手がかかっていることにも驚き。僧侶や医師だけでなく検察官まで死刑執行に立ち会うとは。執行のボタンを押す刑務官は心理的負担が大きいだろうけど、その後の遺体の清拭や着替えまで刑務官が行うなんて、本当にたいへんなお仕事だなぁ⋯⋯。2022/10/09
gtn
24
教誨師がボランティアであることには賛成。遅かれ早かれ逝く者に無報償で関わる者こそ真の宗教者。だが、その宗教の括りが、仏教、キリスト教、神道、その他と大雑把なのが気になる。例えばプロテスタントとカトリックは似て非なるもの。死刑囚が元々信仰を持っていた場合、他宗派では対応できない。国は、多種な教誨師を備えておく必要がある。当日の執行通告やカメラによる24時間監視等、「死刑囚の精神の安定を保つ」という建前で、人権侵害するくらいなら。2024/12/24
はる
18
知らないことだらけ。読んでよかった2022/09/02
しのぶ
18
雑学知識を増やそうと拝読。色々知らない事もコミックでわかりやすく知れて満足。2022/05/25
ニャンリッチ
17
刑務官の仕事のブラックさを垣間見る。執行の役目は当日言い渡され、手当は2万円。コミカルな絵面の漫画だが、死刑判決後、執行がなされるのがいつなのかも知らされないまま余命を過ごす死刑因と隣り合わせに過ごすことの心身双方の危険と緊張感が伝わってくる。執行直後の遺体の清拭まで職員がやるというのには驚きだ。報道を見ていると、死刑確定から執行まで何年と何十年も時間がかかるなと不思議に思っていたが、その理由の説明はなかった。ただ、脱走や情報漏洩への配慮、関係者の激務が原因なのではないかということが文脈から推測される。2022/08/06