出版社内容情報
「ワトスンが活き活きと描写しているのは遠い未来であり、そこでは人間はある性的な仕様書に合わせて育てられている。しかし、不気味なまでに感情移入しやすいヒロインの性格によって、われわれ読者は、無垢を頽廃と戦わせる文学の偉大な伝統の一つへと接続されてゆく。闇の中を手探りで進んでゆくジェイドは、ポーリーン・レアジュの『O嬢の物語』で無名の愛具がたどる道をふたたびたどっているようでもある。そしてそのキャラクターを置く舞台を生出すにあたって、ワトスンはシュールレアリズムの家具を借り、カフカに比べても異常で信じられないものと私には感じられる未来の映像を作りだしている」――ウィル・セルフ
内容説明
カスタムメイド・ガールたちは、コンクリートの島で造られる。男たちの妄想と欲望が具現化された姿で。箱に入れられ、ご主人のもとへと出荷されたカスタムメイド・ガールたちを待ち受けるのは、男による男のための世界の男たち…。巨大な青い眼を持つジェイド。彼女は人肌を着てセックスさせられ、股間に伊勢海老を装着した醜悪な老人に迫られる。六つの乳房があり、顎に乳首が付いているハナ。彼女が届けられた先は、ファック・イージー・バー。ウェイトレスとして働きつつ、コイン一枚でファックされる。猫のような耳と毛皮を持つマリ。彼女のご主人は動物調教師。檻に入れられキャットフードを与えられ、鞭で獣として調教される。乳房が引き出しになっている重役用娘のキャシィ。ボスの煙草入れとして、パーティで愛想を振りまきながら、乳房に詰められた葉巻を提供する。人間すなわち男である世界で、苛烈な運命に翻弄され、心を失い、絶望の果てにカスタムメイド・ガールたちは手を握った。
著者等紹介
ワトスン,イアン[ワトスン,イアン] [Watson,Ian]
1943年、英国生まれ。東アフリカ大学や東京教育大学に講師として赴任
大島豊[オオシマユタカ]
東京生まれ。10年余の出版社勤務の後、フリーの翻訳、執筆業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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