出版社内容情報
入手困難な『悪魔のような女』『聖女』に未収録3篇を加えた、著者円熟期の異色短篇集。
内容説明
倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある―。初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇を描く表題作「くらげ色の蜜月」。新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員が、歪んだ虹色の世界を覗き見る「蟻の塔」。アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが…。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か。現実が霞む「聖女」。女の生涯には、常に蟻が蠢く。虫と狂気の物語「蟻の声」。光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。初収録作品を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
著者等紹介
戸川昌子[トガワマサコ]
東京生まれ。伊藤忠商事でタイピストとして働きながら、アテネ・フランセに学びシャンソン歌手となる。1962年に『大いなる幻影』で第8回江戸川乱歩賞を受賞。『猟人日記』『火の接吻』などの長篇に加え、1977年には「怨煙嚥下」が日本推理作家協会賞の候補になるなど、唯一無二の作風で書かれた短篇も高い評価を得た。また、多くの著名人も愛した伝説的なサロンである「青い部屋」のオーナーでもあった。2016年、死去
日下三蔵[クサカサンゾウ]
1968年、神奈川県生まれ。出版社勤務を経てフリー編集者、ミステリ・SF評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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