内容説明
自分にはおばあさんがいない、とさびしく思っていたアンディ。いつものようにリンゴの木に登ると、そこにはふしぎなおばあさんがいました。遊園地へ行ったり、草原で野馬をつかまえたり、ふたりは数々のゆかいな冒険をしますが…。小学2・3年以上。オーストリア児童文学賞、ウィーン児童図書賞受賞作。
著者等紹介
ローベ,ミラ[ローベ,ミラ] [Lobe,Mira]
1913‐1995。戦後オーストリアを代表する児童文学作家のひとり。現在はポーランドとドイツにまたがる小都市ゲルリッツに生まれる。パレスチナへの亡命を経て、戦後ウィーンに移住したのち、童話『インズープ』が1951年に出版され、デビュー。その後、グラフィックアーティストのズージ・ヴァイゲルと組んで、多くの本を出版。数々の賞を受賞した。『リンゴの木の上のおばあさん』は、オーストリア児童文学賞、ウィーン児童図書賞受賞
塩谷太郎[シオヤタロウ]
1903‐1996。群馬県生まれ。東京外国語大学ドイツ語科卒業。日本児童文学者協会および日本児童文芸家協会に所属し、たくさんの海外児童文学の翻訳、紹介につくした(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はる
45
自分にはおばあさんがいない…。さびしいアンディがいつものようにリンゴに木に登ると、そこには不思議なおばあさんが…。ほんわかと温かい物語。この物語の真髄は後半です。それまで愉快でお伽話のような展開から、夢が覚めたように現実的な雰囲気に変わっていきます。このときのアンディとおばあさん、おかあさんとのやりとりが愛情に溢れていてとても素敵です。子供の視線からの描き方が非常に上手いですね。良い本でした。2016/04/25
ぶんこ
39
アンディにはおばあさんがいません。こんなおばあさんが欲しいと願っていたら、リンゴの木の上で遭遇!色んな楽しい遊びや冒険を経験します。お母さんの仕事ぶりなどを読んでいるとヨーロッパというより日本のお母さんのようで、意外な気がしました。どこでも働き者で子供を慈しむのは同じなのかな。リンゴの木の上での空想の世界も面白いのですが、お隣に知らないおばあさんが越してきました。アンディは、リュウマチでかがめないおばあさんを手助けする優しい子。この現実のおばあさんが本当に素敵。ほっこりします。2016/05/08
のこ
25
自分にはおばあさんがいない、と淋しく思っていた三人姉弟の末っ子・アンディ。いつものようにリンゴの木の上に登ると、そこには不思議なおばあさんがいました。遊園地に行ったり、草原で野馬をつかまえたり。二人は数々のゆかいな冒険をしますが…。■いきなり、本当に突然おばあさんが出てくるので「!?」となります。このおばあさん、実は…という設定と、アンディが現実に戻る場面がすごい。こちらも夢から覚まされたようで、本当に「はっ」としました。■訳者あとがきも良いです。2015/01/02
豆電球
18
祖父母の存在について思いを巡らせてしまう、とてもあたたかくて素敵な物語でした。たった1枚の写真から想像力を駆使して作り上げた母方のおばあさんも、血の繋がらない近所のおばあさんも、アンディにとっては大切なおばあさん。どちらの存在も否定する事なく終えるラストには安堵感の涙がこぼれました。私の両親はすでに他界しているのですが、子どもたちには生前の人となりを折りに触れ語って聞かせています。彼らの胸の中で祖父母は生き続け、時に励まし、時に甘えさせてくれているのかも知れないと、この本を読んでそう思えたのが嬉しい。2023/02/17
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
16
記入漏れ。前半はアンディ少年が想像したリンゴの木の上から現れたおばあさん、後半はお隣に引っ越してきたおばあさん。前半のおばあさんはめちゃくちゃで楽しく、後半のおばあさんはおだやかなおばあさん、それは空想と現実だからですよね。お隣のおばあさんと知り合い、空想のおばあさんの話をすることで、アンディの心は安定したんですね。2021/04/20
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