出版社内容情報
単著「恐怖箱 厭」シリーズの他、「怪談五色」「怪談四十九夜」シリーズの共著で人気のつくね乱蔵、待望のベスト版。
人間の心の闇から生まれる救いようのない怪奇、絶望系怪談作家の異名をとる著者のすべてが詰まった珠玉の実話怪談!
内容説明
“絶望系怪談作家”の異名をとる厭系怪談の妙手、つくね乱蔵初のベスト版。新聞から特定の文字が浮き上がり未来が示唆される…「オリンピックの年に」、蔵に封印されていた般若の面。一族の人間を殺してきた呪いの面だというのだが…「紙般若」、死んだ義母の指から盗んだサファイアの指輪。嵌めた途端に指が折れ…「指折り数えて」、故郷の洞窟にある呪いの泉。木で作った人形に呪いたい相手の名を書いて浮かべるのだが…「沈む人形」他、「紙般若」の後日談を含む書き下ろし3篇も収録。至極の闇全33篇、手の汗を拭いつつご堪能あれ。
著者等紹介
つくね乱蔵[ツクネランゾウ]
福井県出身。第2回プチぶんPetio賞受賞。実話怪談大会「超‐1/2007年度大会」で才能を見いだされデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さりぃ
26
#つくね乱蔵実話怪談傑作選 厭ノ蔵 #つくね乱蔵 KindleUnlimitedで読了。 傑作選なので、厭ぁな気持ちになるやつが一杯。 ほとんど読んだことがあるものだったので、自分の実話怪談好きに少し呆れた(笑) 『減量中止』『オリンピックの年に』『由紀恵さんと象』 『紙般若&後日談』『仏の退職』『潮騒の母』 辺りが好み。 オリンピックの年に、は今年の事だよね。。2020/07/20
佐倉
10
つくね氏の怪談本を読み始めたのがつい最近なので全部初読だと思う。怪異の追跡がどんどん収拾がつかなくなってくる『首吊りライン』、”何も写っていない心霊写真”とも言うべき奇妙な怪異を描く『記念写真』、果たしておかしいのは誰か?認識ジャック系の『紙般若』、こちらも得意のお骨冒涜系である『潮騒の母』、いじめを原因とした因果と復讐を描く『十五年の影』、同じくいじめ+呪いものだが緩急と切れ味が鋭くタイトル回収要素もある『仏の退職』がお気に入り。『十五年の影』あたりから加速度的に厭な感じになっていって大満足。2023/10/13
海星梨
9
KU。結構知ってる話ばっかだなぁと思いつつ、後半は意外とそうでもなく楽しめた。二回目だとやっぱり、恐怖感とか厭感が減少。そうか、これが免疫力か……。新型コロナも東日本もそうだけど、予言系はやっぱり実録系の本領だよなぁと不謹慎ながら思う。さて、明日は甲田学人さんの新刊ですよー!! 創作も創作の良さがあるんです、とホラーどっぷり人間すぎて自分で引く。2024/02/08
雨
6
その名の通り厭な話ばかり。よくもまあこんなに集まったなーと。後味悪い話が好きなので面白かったけど。2020/06/12
ふじ@道東民
4
単純な怪談ではなく、理不尽に憑いてきたり、恐ろしい怨念を感じさせる後味の悪い厭な話ばかりを集めたタイトル通りの短編集。 「オリンピックの年に」はどうとでも解釈できるくらい広い予言だけど、今の情勢を見ると信じてしまいそうになる。2021/04/19