内容説明
1888年、ロンドン。アメリカの大富豪令嬢アレクサンドラは、侍女の服で変装して逃げだした。イギリス貴族と縁続きになりたい母親が連れてくる夫候補はろくでなしばかり。赤ら顔の中年子爵に襲われそうになったアレクサンドラは、滞在していたホテルを脱けでてひとり蒸気船でアメリカに戻るつもりが、財布も乗車券も盗まれてしまう。さらに酔っ払いに絡まれて道路に飛びだしたところを、別の男性にぶつかって気絶してしまった。その男性、トーマス・カーライルは倒れた女性を無下にできず、介抱してくれた。やがて彼の妹たちの家庭教師が次々やめて困っていると知ったアレクサンドラは、旅費を稼ぐため、そして富豪令嬢失踪の噂でもちきりのロンドンを離れるため、正体を隠して田舎の地所へ行くことにした。ところが、ただの肖像画家だと思ったトーマスは、実はロングフォード伯爵で…。日本初登場作家のヒストリカル・ロマンス!
著者等紹介
ジェイムズ,シリア[ジェイムズ,シリア] [James,Syrie]
ロマンスと19世紀の文化、とくにジェイン・オースティンを愛する。THE LOST MEMOIRS OF JANE AUSTENなど多数の著作がある。北米ジェイン・オースティン協会の終身会員。脚本家の顔も持ち、全米脚本家組合にも所属している
旦紀子[ダンノリコ]
東京生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
33
経済的に豊かなアメリカ人女性と爵位のあるイギリス人の結婚が流行?となった時代が舞台です。自分の意志に反する結婚を強いられる女子と、才能ある画家でもある伯爵の清いロマンスが素敵なお話です。頑ななあるイギリス人家族の世界に、自由奔放なアメリカ人が新しい風を吹き込むところがさわやか。でもタイトルにはビックリしちゃったかもよ~。2019/05/06
ち~
31
困窮した領地の伯爵トーマスと、アメリカから母に連れられてきた女相続人アレクサンドラ。母から逃げ出し無一文のレクシーは身分を偽っていたトーマスに助けられる。トーマスの妹の家庭教師に雇われた為、伯爵であるのを知るが戻りたくない一心で嘘をつき続けるレクシー。背景が単調だが、奪われた唯一の楽しみ、裏切られた親友、無関心だった妹との交流など、レクシーの影響で、人生に彩りを取り戻すトーマスの様子がとても良い。最後の最後まで我慢強かったトーマス。偶然見た入浴現場が忘れられず、思い出し想像しまくる大好物なヒーローでした。2019/03/27
菫子
17
繊細で誠実な伯爵ヒーローと知的でアメリカンなヒロインの寸止め・ジレジレ・ロマンス。面白かったです!我慢強い誠実なヒーローが寸止めシーンで池に飛び込み、ヒロインが後を追って池に入るところがとくに好き。 (kindleunlimited)2021/02/05
rokoroko
13
内容は書名どおり。登場人物が毒母以外良い人なので安心して読める。イギリスとアメリカ人の間の恋愛小説ってロマンス小説の中で良くあるケースだけれど、両国間の摩擦とか文化的なずれみたいなものないのかな。言葉が同じでも使い方も異なるようだし。すぐお隣の国と上手く行かない昨今の日本を考えてしまう。2019/03/21
アカツキ
12
挑戦するレディたち三部作の1作目。1888年ロンドン。アメリカ人大富豪令嬢ヒロインは貴族と縁づきたい母親にろくでもない貴族と結婚させられそうになって帰国しようとするが、散々な目に遭って旅券と手持ちの財産を奪われてしまう。アメリカへの渡航費用に頭を悩ませるヒロインだったが、ヒーローの妹たちの家庭教師をすることになって…。聡明で度胸のあるヒロインと生真面目で誠実なヒーロー。ヒロイン無双過ぎるところはあるけれど、ストレスフリーなストーリーで適度にホット。めっちゃ面白かった!2022/05/14