内容説明
タレントとして活躍しながら、怪談好きが高じて独自の取材ルートで蒐集した奇妙な恐怖実話集。その新シリーズが開幕する。“左の頭が割れそう”と意識を失った時、祖母もまた同じく…シンクロする恐怖「伝」、古びた家から灯りが漏れ、音楽が聞こえる。その家が火事になったことでわかった衝撃の事実「クラシックハウス」、バブル期、女を食い物にしていた男が体験した恐怖実話「選ばれしもの」など。死者と生者が引き起こす欲と怨念に塗れた怪異現象の数々、じんわり体感せよ。
目次
前乗りされる人
カラカラ
伝
呆助の「夢のままなら」
想いよ届け
見えざる手
偽輩
向かいの雑木林
離脱
近隣住民〔ほか〕
著者等紹介
徳光正行[トクミツマサユキ]
1971年神奈川県茅ケ崎市生まれ。テレビ、ラジオ、イベントの司会などで活躍しながら二世タレントとしての地位を築く。大の実話怪談好き(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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夢追人009
171
父の徳光アナと同じく司会業で活躍されている著者は、共に怪談愛好家という意味で落語家の林家三平さんと似ていますね。このカバーイラストはマジで恐ろしく数編ある学校の怪談噺シリーズも怖くていいですが、今回はソフトな一編が印象的で強く心に残りましたので、そちらを紹介しますね。『恩人』今では恰幅の良い紀藤さんだが、幼い頃は体が弱くて幼稚園に通うよりも病院に行く事の方が多かったという。普段に彼が通っていたのは鹿野小児科という小さな医院で鹿野先生は病弱な為に友達の出来ない紀藤さんと遊んでくれたりしてお世話になっていた。2021/03/21
澤水月
20
夜の街から掬い上げた話がどれも面白い。心霊でないSM極致など。最初に怪談本刊行時、うまさに驚いたが今回も読み物として上出来。乾麺はほのぼの系かと思えば…ゾクリとした。後書きに色々小ネタ、岩井志麻子を豹柄でなく「豹」と言い切ってたり、樹海での体験記を「新潮45で続きをお読みください」…って頃に休刊しちゃったよー(掲載誌は1月号で休刊は10月号)! そして彼の原作を元に映画が3年分も予定って… 著者の文は好きだが映像(それも随分先の)はどうなんだろう。毎月入っていた怪聞通信が今回3冊ともないの併せ気がかり2018/10/16
hannahhannah
14
徳光正行のホラーの新シリーズ。オカルト系だけかと思いきやサイコ系もいくつかある。気味悪かったり、猟奇的だったり、拷問系の話もあって楽しめた。風俗店絡みの話や昭和の頃の不良組織の話などが収録されていて、福澤徹三の『忌談』シリーズを思い出した。まぁ、さすがにあれほど陰惨ではないけど‥。徳光さんの本は読みやすいし、話も面白い。あとがきによると、彼の話が三本ほど映画化されるようだ。今後も期待しています。2018/10/02
qoop
11
犯罪譚などを含んだ怪談実話集。話の中に自分も顔を出したい著者なのだろう、それがハマるときもあればそうでないこともある。著者の場合、夜の巷の雰囲気を伝える部分は臨場感をブーストしてくれるが、語り手に対して解釈を述べる点などは個人的な興冷めポイント。〈異音〉〈選ばれし者〉〈落し物拾い物〉などが印象的だが、何より表紙が一番怖い。往年のつのだじろう先生系統と感じるので、こういう表現にはあの頃に刷り込まれたトラウマがあるのかも。2018/10/07
sonettch
10
「晶子さんの体験記」で『夢幻紳士 怪奇編』の中のある話を思い出した。「世の中には心霊以外でも、鳥肌が立つほど興味深い人たちはたくさんいるのだ」←人間って、深いなあ…。2018/10/08