内容説明
鬼才・平山夢明の原点でもある実話怪談。血も凍るような心霊体験、奇妙で不気味な出来事、この本に掲載された話はすべてどこかの誰かが体験した恐怖であり、現実に起こった怪異である。それをつぶさに聞き取り、再現し、怪談という姿に昇華させる筆さばきは今なお鮮烈で鋭い。二十数年前に「デルモンテ平山」名義で綴られた幻の初期作品を、あますことなくまとめた全集第一弾。恐怖は決して滅びない。鮮血の臭いをともない復活し再臨する!
目次
やめてくれぇ
ちくしょう
眠っていた話
砂時計
流れてきた御札
鈴なり
飼っていた犬の話
こんばんは
覗かれる
完璧に出るコンビニ〔ほか〕
著者等紹介
平山夢明[ヒラヤマユメアキ]
神奈川県川崎市生まれ。「デルモンテ平山」名義で雑誌『週刊プレイボーイ』でビデオ評論を手がける。1993年『新「超」怖い話』より本格的な執筆活動を開始。1996年『SINKER沈むもの』で小説家デビュー。2006年、短編「独白するユニバーサル横メルカトル」で日本推理作家協会賞短編賞、2010年『DINER』で日本冒険小説協会大賞、大薮春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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absinthe
101
この手の本をたくさん借りて、誤って未登録だったか、それとも総集編的な本なのか。同著者の他の本と被っていた。著者が若かったころの作品集らしい。2024/09/20
HANA
75
実話怪談集。平山夢明の実話怪談がまとめて読めるとは夢のよう。二十年以上前の作品であるが、今の実話怪談の原型のほとんどがもうここで出来ている気もする。最初の頃はあまり筆者独特の「嫌さ」が感じられなかったが、途中からもう完全読者を殺しにかかってきてますよね、コレ。「ボールをつく子」とか話自体はありきたりなのに著者の筆力で事故現場からとんでもない気分にされるし、「小包」とかは後の『東京伝説』系の話に繋がるっぽいし。著者の文章の変遷とか実話怪談の原点とか全て詰まった一冊。あと時代の証人っぽい本でもありますな。2016/09/04
J7(読メ低浮上中)
51
無名時代であっても、平山夢明は平山夢明だったのだと、納得できる面白さだった。平山さんの怪談には、グロテスクな恐ろしさの傍らで、どこか奇妙な陽気さと、ユルい持ち味がある。(もちろん、始めから終わりまでしっかり怖いのが大半だけど)怪談を書くからには、やはり幼少のころから中々にそうしたものにも縁があるようで・・『ボールをつく子』の体験談なんかは強烈だった。それでも、前述のような持ち味を作品から受けるに、本人が怪異収集に嬉々として臨んでいる。文庫版のまえがき、あとがきを読むとそんなスタンスさえ見えてくるよう。2017/05/30
ach¡
47
小学生の頃、夏休みの楽しみと言えば『あなたの知らない世界』でしたが…ビビリながらも毎日欠かさずあの時間だけ、おもいっきりテレビにかじりついていたもんだ。でもって密かにみのもんただけは信用ならねぇと幼心に思っていたもんだ。あれから20年以上の月日が経ち…少女はおばさんになってしまいましたが、大人になったからって怖いもんは怖いんだよ。夜に読むもんぢゃねぇ。図書館にリクエストしたけどさ、こんなに早く購入してくれちゃわなくても良かったよ?ボールをつく子⇦まじかよぉ(;゙゚'ω゚')あと119頁は誤植?心霊現象?2016/10/20
トリオネア
46
自らの意思で気絶、器用w擬死するオポッサムかw福禄寿はいい話のようだけど分割が気になる。居候が好み。2019/09/30