内容説明
不可思議な怪異の体験が人の闇と紙一重であると描いた「狂霊」の渋川紀秀による、新たな恐怖を体感できる一冊。とある田舎町の家で起きた事件が発端か?一軒の家を巡る連作怪異譚「田舎の事件」。「古戦場の学生寮」からはじまる、霊媒師による畳みかける怪異の記録の数々。怪異は思わぬところで連鎖し、その因果の輪に人を巻き込み、恐怖の闇へと引きずり込む。その闇を覗き込んだ時、あなたの元にも怪異は訪れるかもしれない。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
140
本書は竹書房の怪談本では珍しく前書き後書きが一切ない実話怪談短編集ですが、どれも手堅く安定した作品揃いで楽しめましたね。作者の言葉が全く無いとなるとそれはそれで少し淋しい気がしますね。『子連れの花嫁』兵庫県の教師・赤井さんが小学5年生の生徒達を高原の一角にある施設へ自然学校に引率で連れて行った時の話で、肝試し大会が降雨の為に屋内で開催される。赤井さんの語る怖い話を聞いていた生徒の中でおとなしくて少し変わった男の子・田中君が「ねえ、その人、誰?ウェディングドレスと赤ちゃん、先生の知り合いなの?」と言い出す。2020/12/24
澤水月
20
前著より良くなってるが怪談でない単なる話が2つ。ひとりの人にたくさん話聞いたもの幾つか。細かい話だがロードレーサーは自転車のことなんですが…2016/06/29
hannahhannah
17
渋川紀秀によるオカルト/サイコホラー。前作は微妙に長い話がほとんどだったけど、今作は短くまとめている話が多い。全体の9割は心霊系で1割は狂気系といった感じ。心霊系の話は怖くないし、特に面白くもない。上田という住職の話が十も収録されてて読んでて怠かった。岸本という霊媒の話もいくつかあって、これも読むのがしんどかった。狂気系の話は好きだけど、これもまた特に捻りがないし、あっさりした話が多い。まぁ「山小屋のトイレ」の汚い描写はなかなか良かった。前作もそうだったけど誤字脱字が多くて校正やってるのか疑問に思うほど。2017/08/27
qoop
7
当初、タイトルからサイコ系かと勘違いして買わずに済ます気だったが、勘違いと知り一読。〈骨のカビ〉〈竹林の女〉が印象に残った。2016/07/03
王天上
5
やめようやめようと思いつつ、ブックオフの100円コーナーでみつけると買ってしまうんだよな。実話怪談やめるのが先か、タバコやめるのが先か。頑張ろう。2017/01/21