内容説明
あの世にもっとも近い場所、恐山。日本最大の霊場に纏わる戦慄譚を、恐山を知り抜いた青森県出身の著者が渾身の取材で書き下ろす実話怪談集。娘の誕生日に貰った風車、その日から家族の様子が…「いざ、最悪のほうへ」、赤い馬を見ると死ぬ、祟られた一族の顛末…「天馬よ昇れ」、家中が水浸しになる謎の濡れ部屋…「真相究明」ほか、恐山怪談以外にも味わい深い、極限の35話!
目次
貸し切りバス
県営住宅
ねえ、お兄ちゃん
ユタ
優しさ二題
どこと?
寄せ
溜
可哀想な少女がこの話の中で生きますように
集まれぇ〔ほか〕
著者等紹介
高田公太[タカダコウタ]
青森県出身。怪談テラー。地元で怪談イベントなども主催する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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夢追人009
285
青森県出身の著者の初単著は普通に怖いですね。方言も出て来て素朴な味で怖い話だけでなくユーモアの感じられる作品も多く入っていますのでバランスよく楽しめますよ。『貸し切りバス』貸し切りバスをチャーターしての社員旅行で、恐山が近づくとバスガイドが「絶対に山にあるものを勝手に持ってきてはいけません」と注意した。帰路のこと、運転手が突如思い切りハンドルを切り、急ブレーキを掛けた。「なんだんずよ、あぶねじゃ!」社員達の文句に運転手は「今、子供が道の真ん中さ、いだんだね!」と説明するが「いるわげねべよ!」と皆信じない。2021/06/06
ゆみきーにゃ
65
《購入》久しぶりの怪談本。初めましての作家さんでしたが、タイトルの恐山に惹かれて。高田さんの書く怪談、すっごく好き。もう少し恐山のお話があれば尚良かったな~。2017/03/27
HANA
62
表題は恐山だが、恐山が舞台なのは一部の話だけ。一度だけ行った事のある下北の風土を、脳裏に浮かべながら読み進める。恐山関係は最初の話にしても次のイタコの話にしても、どこかで聞いたような話だなあ。それ以外の話では幽明を越えた交信の話が多いような印象。こういうのはかそけき話が多いのだが、本書では割と堂々と横にいるような。不可思議系が多い昨今の実話怪談で大上段から幽霊を持ち出されると、なんとなく懐かしいような気もしてくる。著者の人柄なのだろうか仄かに優しい話はあっても、怪談特有の嫌さを感じるような話は少なかった。2016/04/21
Smileえっちゃん
61
表紙に誘われ、怖いもの見たさに買ったのですが、夜一人で讀むのが怖くて、暫くは手が出せなかったです。実話怪談集の35話・・・子供の頃から恐山は、あの世とこの世を繋いでくれるイタコがいて、賽の河原の河原があって、風車が回っていて、殺風景な風景を連想していました。そんな恐山の実話を期待していましたが。少なかったです。思ったより怖くなくて軽く読めました。2018/04/15
ラルル
30
恐山に関連した話を多数収録した青森怪談。なかなか興味深いテーマでした。ラストの「天馬よ昇れ」は恐山関連では無いですがラストにぴったりの良い話でした2016/05/31