感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
16
「惜しい哉後世、真田を云て毛利を不云」長野出身なので真田は身近な存在ですが昔から毛利勝永の方が好きだ。秀吉への忠義のために大阪城に入り戦いの果てに仲間を全て失い最期は豊臣家と運命を共にした毛利勝永。もう後は腹を切るだけ。主君の介錯を行うためだけの大阪城への撤退戦でも勝永は負けない。東堂、井伊、細川という歴戦の部隊を相手にして、未来の全くない戦いでも彼の心は折れない。華々しく散った真田とは違い地味に堅実に侍としての矜持を保った。時代には負けても敵には負けなかった。憧れるよな。2018/10/12
とし
9
豊臣家滅亡の戦いである「大阪の夏の陣」において、かの真田幸村にも劣らぬ奮迅の働きを見せた勇将がいた。その名は毛利勝永。一瞬の光芒のごときその活躍のために、現代での知名度が哀しいくらいに低い武将ではあるが、「日本一の兵(つわもの)」と評された真田幸村にも遜色ない働きぶりを見せた稀代の戦術家である。本書は、これまであまり研究対象となってこなかった毛利勝永と、その周辺についての、決定版と言っていい労作です。2016/08/27
なつきネコ@小学校に入学した化け猫
7
まさに毛利勝永研究の決定版の一冊。冬の陣で、山内の陣に謝礼を矢文でとどけるエピソードとか人柄の良さが出て好きだな。そこは山内家が勝永の子孫や旧臣を守り続けるのが表しているな。豊臣家直臣として転戦した人生を知り、本当に誇りだったんだろうなと思う。しかし、本多忠朝を討ち取ったのが雨森伝衛門だと伝わっているとは知らなかった。しかも、真田隊壊滅した後の撤退戦の堅実ぶりはカッコいい。11の部隊を崩した藤堂高虎、伊井直孝の二人を崩し、敗残兵をまとめる戦いぶり。そのあたりで幸村は撤退戦なれていない事が死因だと納得した。2017/06/23
かえるー@いくさ人
4
字が大きくて読みやすかったです。また読みます。2017/04/26
BIN
3
最近毛利勝永ファンになったので読んでみました。「惜しいかな、後世、真田を云て毛利を云わず」は毛利の方が上という意味ではなく、毛利は真田に次ぐ活躍しているというのに後世に伝わってないのが残念的なニュアンスとのこと。読んでても夏の陣以外目立った活躍はないものの、そこでは本多を初め多くの軍を撃破している。寄せ集めの軍ですごいもんです。秀頼の介錯をしたという話もありますが、生き残った説もある。勝永という諱は一次資料に残ってなく、幸村みたいなもんですかね(史料に残っているのは吉政らしい)。2020/06/27