出版社内容情報
ニュースでは報じない、生々しい実情を描くノンフィクション!
・秋葉原無差別事件、加藤智大死刑囚
・あさま山荘元連合赤軍、坂口弘死刑囚
・横浜港バラバラ殺人事件、池田容之死刑囚
・相模原障害者施設26人殺傷事件、植松聖死刑囚
…etc.
内容説明
私に与えられた仕事は死刑囚の髪を切ることでした。
目次
第1章 死刑囚の理髪係(東京拘置所に“赤落ち”;理髪係に任命される ほか)
第2章 理髪デビューと死刑囚の洗礼(死刑囚デビュー;ある男の噂 ほか)
第3章 拘置所のカオスな日常(令和の3億円事件;家族の話 ほか)
第4章 理髪係を通して見えたもの(稲川会傘下後藤組元組長 後藤良次;前橋スナック銃乱射事件 矢野治 ほか)
著者等紹介
ガリ[ガリ]
岐阜県で生まれ育ち、20歳で表参道の某有名美容室に就職。事件を起こし2019年東京拘置所に服役。これがのちに死刑囚の理髪係となるきっかけとなった。死刑囚や重大犯罪被疑者など約1万人の理髪を担当。YouTube「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー」に出演し大きな反響を呼んだ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ma-bo
85
窃盗を働いて逮捕された作者は、美容師の国家資格を持っていた事から東京拘置所で理髪係に任命される。プロローグから秋葉原通り魔事件の加藤智大が出てくる。多くの死刑囚、収監者の理髪を行い直接的に触れ、会話等を通じて様子が知れて興味深い内容だった。2024/09/15
petitlyz
19
実際に理美容師の資格をもった著者が、窃盗で東京拘置所に服役した。その著者が理髪作業にあたり書かれた内容。凶悪犯が実名でたくさん登場するのでびっくりしながら読む。特に、座間殺人事件の白石であったり、障害者施設殺人事件の植松が美容整形手術をしていたなどのリアルな一面だった。理髪作業といえども緊迫感があった。また、凶悪犯といっても理髪の必要性があり、その作業を服役者が行うという自給自足的なところも初めて知った。こういった内容は目にする機会がないので興味深かった。2024/09/21
澤水月
13
秋葉の加藤、座間の白石(限界まで伸ばすらしい!)らの髪を切った理髪係の手記。死刑囚担当時には刃物の扱いなど特別態勢を取る。あさま山荘・坂口弘の信じ難い「癖」や東拘内に流れていたトー横ハウルの死因についての噂(衛生夫による)、ルポ・映画「凶悪」モデルの後藤組長、河合元法相なども。未知の受刑者にも(理髪という短い時間ながら)底知れぬ闇を感じさせる人物も多々。死刑制度問題への考えが著者なりに変わりゆく様も興味深い2024/05/31
あられ
10
東京拘置所内で収容者の理髪係を担当した著者。ガリとは理髪係のことだった。収容者のなかには死刑囚も含まれ、その際には緊張が高まる。最初の死刑囚は加藤智大、彼の髪を切れたら他は問題なく切れる、というほど神経質らしい。限界まで伸ばした座間の白石隆浩、貞子みたいだったとか。奇癖を実行する坂口弘。←はた迷惑。津久井やまゆり園の植松聖は坊主。ヤクザの小日向将人は最近「死刑囚になったヒットマン」を読んだし。後藤良次の映画「凶悪」もみたっけ。ともあれ、死刑制度はこのままでよいのか、考えねばならない。2024/07/15
てまり
6
死刑囚ってまだ刑が執行されていない扱いだから拘置所にいるんですね。知らなかった。ひとつひとつのエピソードは短く、もはや印象集といった趣だが、こんな大量の死刑囚にそれぞれ短い時間でコンタクトした人の話とかまず聞けないので勉強になった。拘置所という限られた場所でいろんなことを自身の成長に繋げようとする著者の姿勢には感銘を受けました。ところで当たり前ですけど犯罪者のみなさんの言葉遣いも今風で昭和みたいなカオス感ないですね。有力政治家とかやっぱVIP対応なのね。2024/10/04