出版社内容情報
大好評・人情長屋時代小説の第3弾。おせっかいとおっちょこちょいが交錯する長屋の面々は今回もやってくれます。笑いと涙の傑作6篇。
【著者紹介】
作家
内容説明
魚屋の辰次が柄にもなく端唄を習っていると知り、暴走を始める万造と松吉…。島田鉄斎を突如訪ねてきた武家妻女の正体は?晴れて父親になった久蔵が陥った窮地とは?本所亀沢町の「おけら長屋」は、いつも騒動の宝庫だ。大家・徳兵衛の知られざる過去に発し、父娘の複雑な情愛を見事に描いた長講「てておや」はじめ、人情落語テイストに磨きをかけた大好評シリーズ、注目の第三弾。文庫書き下ろし。
著者等紹介
畠山健二[ハタケヤマケンジ]
1957年東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、週刊誌のコラム連載、ものかき塾での講師まで精力的に活動する。日本文芸家クラブ会員。『スプラッシュマンション』(PHP研究所)で小説家デビュー。初の文庫書き下ろし時代小説『本所おけら長屋』(PHP文芸文庫)が大好評を博し、シリーズ化となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
204
第3巻は、辰次のほろ苦い初恋話『うたかた』、武家の嫡男が噺家に成りたい夢を手助けする鉄斎『こばなれ』、お糸が着物に残された手紙から愛を知る『あいえん』、父親になった久蔵が空回りする『ふろしき』、徳兵衛の知らなかった実娘が訪ねてくる『てておや』…人情が色濃く出た5つの噺は、クスクス笑わせられつつ、時折ホロッとするシーンを挟み込んでくる職人技。『てておや』では逆に、お約束の泣けるシーンに、死にそうなふりをしている徳兵衛にむせる偽薬で苦しませて笑いを誘い、泣き笑いで楽しませるとは巧み!今月中に次巻へ進みたい♬2020/01/14
のり
131
おけら長屋に新な命の誕生に伴い、新米おとっつぁんの久蔵の奮闘や、恋破れたが魚屋の辰次が人として大きく成長したし、大家の徳兵衛が知り合った薬種問屋の宗右衛門の父娘関係を丸く納める筋書きをした万造の手柄だった。八五郎のお惚け行動もさすが堂に入っている。2018/10/16
chiru
130
おけら長屋第三弾★ 期待を上回る面白さで、ものすごく良かった❗ 『あいえん』古着に入っていた手紙の「お鈴探し」をめぐる万松たちの会話と作戦に、思わず笑い転げてしまう! 彼らの大人気ない一面が人間らしくて好き。『てておや』確執のある父娘の間を取り持つ万松。やり方は無茶苦茶だけど、万松の縦横無尽な発想と活躍に大喝采🎵 拗ねたり、得意げになったりする単純さが可愛いな。世の中は悲しいこと、辛いことがたくさんある。だからこそ「お節介」が心に沁みて、この時代っていいなって思う💖 ★52020/05/05
ぶち
128
登場人物たちの役割が少し変わってきたようです。鉄斎のカッコイイ役の一部をあの万松コンビが担うようになってきたのです。その代りの間抜け役は、八五郎。登場人物たちの性格が固まっていない、生きている(成長している)シリーズなんだなぁと思いました。でも、小気味よいリズムの語りは健在です。ますます人情に重みが置かれるようになったお話の内容にしんみり。ときには、涙ぐんだり、あの万造の科白に感動したり....そして、最後の「てておや」の"落ち"も見事にきまりました! 『人の仲をとりもつのは、もうこりごりだ』(^o^) 2020/11/12
nico🐬波待ち中
110
シリーズ第3弾。今回も長屋のみんなの仲の良さにほっこりした。いつも長屋に騒動を持ち込む万造・松吉コンビ。けれど『ふろしき』の万松コンビは見直した。久蔵・お梅夫婦に生まれた亀吉の誕生祝いとして持ってきた味のある平仮名の手紙には、思わずほろり。そして家族のため出世しようと仕事に打ち込む久蔵に向かって「お梅ちゃんと亀吉の側にいてやれ」と優しく諭す万造には感動。万松コンビも成長したな、と感心しきりの回だった。『てておや』のお満。聖庵先生の弟子の彼女が、これから長屋の住人達とどんな感じで絡んでくるのかとても楽しみ。2020/05/21
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