内容説明
“崇峻天皇は蘇我馬子の独断で殺されたのではない”“継体天皇の王朝交替説はすでに否定されている”“討幕に強く反対して幕府に味方した皇族がいた”“院政は後継者不足などでたまたま生まれた政治形態”―天皇家にまつわる新常識47。
目次
第1章 事件にまつわるウソ(崇峻天皇が蘇我馬子の差し金で暗殺されたというのはウソ;蘇我氏の専横を見かねて中大兄皇子が乙巳の変を起こしたというのはウソ ほか)
第2章 政治にまつわるウソ(大和朝廷が3世紀後半頃に成立したというのはウソ;6世紀にはヤマト王権が東日本を支配下に置いていたというのはウソ ほか)
第3章 即位・儀礼にまつわるウソ(今上天皇が126代目の天皇にあたるというのはウソ;即位の礼が神式で行われてきたというのはウソ ほか)
第4章 文化・制度にまつわるウソ(神武天皇陵が天皇を祀る古墳というのはウソ;安閑天皇から欽明天皇にかけては皇統が安定していたというのはウソ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こちょうのユメ
12
天皇と皇室にまつわる最新の常識が紹介されている。各ページに挿絵や写真があり面白い。多くの資料を参考にし、短い解説だが説得力はある。万世一系説や多くの宮中祭祀、皇室典範などは明治時代に作られた。古墳も実際に天皇が祀られていたかは不明なものが多いうえ、古代は史料が少なく正確でない。そのため学術的には、今上天皇が126代目であるとは言い切れないらしい。明治天皇が南朝を正統としたので、北朝の皇統がカウントされなかった点は初めて知った。現在の皇室典範では女性天皇や女系天皇は即位できず、愛子内親王の即位は難しそうだ。2025/10/24




