感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
40
読友さんのレビューで知った本。江戸の町を当時の絵ばかりでなく詳細な建物の「間取り」を以って紹介する。間取りからそこに住んだ人々の生活の様式が見えてくる。今日でもどんな家に住んでいるかでその人の生活様式はほぼわかるもんな。当たり前だが目から鱗のような発想。将軍から大名、旗本、そして町の庶民まで彼らの生活が活き活きと蘇ってくる感覚。薄い本だが文字は概ね3段組。凝縮された楽しい本でした。これを一読しておくと時代小説もまた味わい深そうである。2021/03/19
yyrn
26
人を支配するために様々なルールが生み出されてきたが、この本を読むと江戸時代の役人の賢さが見えてくる。人を士農工商に分けて、さらに大名もランク付けして家の大きさや門の造りを制限し、将軍への面会の場所やしきたりも定めて、従わないと不利益を被るぞという意識付けを広く浸透できたからこそ265年間も国を治められたんじゃないか?と思った。特に「間取り」という毎日の生活で否応なしに接し感じるモノをもって武士も町人も僧侶らも意識させられたのではないか、などと多数の間取り図をみながら色々考えることができた。薄い本です。2021/06/20
軍縮地球市民shinshin
20
コンビニでなぜか売っていたので買ってみた。薄い本だが、江戸城から武家屋敷、商家、長屋、寺院、神社、芝居小屋、吉原、宿場町、農家などさまざまな間取りが掲載されていて面白かった。徳川吉宗が目安箱の投書によって作らせた小石川養生所の間取りも載っていたが、江戸後期には賭博も横行し、また本来無料だった看護も事実上有料になっていたり、治安悪化していたとは知らなかった。また各藩の江戸屋敷には本邸をぐるっと取り巻く形で藩士が住む長屋があり、いざという時には藩士が殿様の楯になるという意味など、知らないことがあり面白かった。2021/01/05