出版社内容情報
【目次】
内容説明
文学が膨大な文字の組み合わせにすぎないなら、作者という主体は言語の総体へと解消される―。古今東西の文学を渉猟し、引用やパロディを介して作品が作品を生成する営みを透徹した眼で見つめた博覧強記の作家は、その先に何を夢見たのか。文学の伝統を裏返し、書物をめぐる価値観を一変させ、虚構から現実を照射し、知の迷宮を駆け抜けた巨人の真髄に触れる。
目次
1 序 ホルヘ・ルイス・ボルヘスの生涯と作品
2(「アルゼンチン的なもの」の探究と普遍性への志向;「作者性」の彼方を見据えて;「球体」と「円環」のモチーフ―ボルヘスの作品における空間と時間;「不敬」の作法―ボルヘスにおける伝統の再創造;めくるめくエッセーの世界―『続審問』を中心に;ボルヘスと探偵小説;ペロン時代のボルヘスと政治的意趣返し;盲目の詩人ボルヘス;ラテンアメリカ文学から世界文学の地平へ)
著者等紹介
大西亮[オオニシマコト]
1969年、神奈川県に生まれる。神戸市外国語大学大学院博士課程修了、博士(文学)。現在、法政大学国際文化学部教授。専攻、ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たかひろ
5
ボルヘスの生涯から作品解説、政治的姿勢等ボルヘスの様々な側面が短くも分かりやすく概観されていて、とても興味深かった。私はボルヘスをほとんど読んでいないが、彼の創作姿勢、とりわけ『バベルの図書館』や『ドン・キホーテの作者~』をまじえて時間や空間を超越した「伝統」にこそ文学は属しているとする「作者性」への懐疑の姿勢や、そこから「読むこと」が創造的であるという端緒を見出し、「文学から文学を創出する」という彼独自の理論へと導かれていくのには非常に興奮した。2026/06/21
本山
4
約150ページ、という短さの中、要点を絞りつつも多角的にボルヘスを分かりやすく紹介している、優れた本だと思う。私がボルヘスをあまり読んでいないので、強く断言するのは躊躇われるが。個人的には、ボルヘス特有の、作者性への疑義という問題意識が、文体の点ではどのように展開されるか気になったが、分かりやすく取り上げてはいなかったように思う。そこは自分で探求したいところ。読んでよかった。昔読んでよく分からなかった『伝奇集』、『アレフ』、『続審問』、『砂の本』、『アメリカ文学講義』あたりを読んでみたいな2026/06/16
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