内容説明
ペレック、カルヴィーノと並ぶ、実験文学集団「ウリポ」の旗手が放つ問題作。エッセー、思索、批評、言い訳、剽窃―。そのすべてを織り交ぜながら、“私”の作品を書くことを繰り延べつづける。「書くことの困難」をめぐる真面目さと滑稽さ。
目次
表題
最初のページ
整理統合
正しい使い方
唯一の本
語順
主人公
欠落
最後の言葉
著者等紹介
ベナブー,マルセル[ベナブー,マルセル] [B´enabou,Marcel]
1939年、モロッコのメクネスに生まれる。1956年よりパリ在住。元パリ・ディドロ大学教授(1974~2002年)。1970年にウリポに加入し、組み合わせ文学や制約下の自伝など、さまざまな分野の探求を試みている
塩塚秀一郎[シオツカシュウイチロウ]
1970年、福岡県に生まれる。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、パリ第三大学博士(文学)。現在、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授。専攻、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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三月うさぎ(兄)
1
バートルビーの仲間だな、と思ったら、↓のご指摘通り、ビラ=マタスの『バートルビーと仲間たち』p.21に引用されておりました。引用部分はベナブーのp.67「正しい使い方」の冒頭。「読者よ、私が書かなかった本はまったくの無価値だなどと思わないでいただきたい。それどころか(きっぱり言わせていただきたいのだが)私が書かなかった本は世界文学の中を漂っているようなものなのだ。」しかし、ビラ=マタスの引用の文脈とは違って、「それらの本の言葉、語群、場合によってはいくつもの文がまるごと図書館に収まっている。」と続き、→2025/04/06