内容説明
“歴史なき都市”の文学を読む。プーシキン、ゴーゴリ、ドストエフスキーの作品に共通するコロムナ地区をめぐる表象を読み解くとともに、幻覚、奇譚、恐怖に彩られた幻想的な“ペテルブルク神話”の源流をロシア・フォークロアをはじめとする民衆文化に探る、19世紀ペテルブルク文学論。
目次
第1部 下町コロムナ
第2部 プーシキン―ペテルブルク神話三部作(『コロムナの小さな家』反撃するオクターヴァ;『青銅の騎士』うねる河波/蠢く石畳;『スペードの女王』崩壊する老女王の聖堂)
第3部 ゴーゴリ―コロムナの小者たち(「ウクライナ小説」鏡像のペテルブルク;『ネフスキー大通り』剃刀とナイフのモンタージュ;『肖像画』結界地コロムナ;『狂人日記』道化の反乱あるいはコロムナの小者魂;『鼻』大地の目覚めと聖母の執り成し;『外套』コロムナの地霊;改作『肖像画』vs.『ローマ(断章)』終わりなき「分断」と調和の幻想)
第4部 ドストエフスキー―夢想家たちのコロムナ(『貧しき人々』ペテルブルクの病;『家主の妻』と『弱い心』変容する夢想家;『白夜』和声へ)
著者等紹介
近藤昌夫[コンドウマサオ]
1956年、北海道生まれ。東京外国語大学大学院修了。現在、関西大学教授。専攻、ロシア文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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