内容説明
「役に立つ外国語」から、「他者理解の想像力」へ―外国語教育はなぜ必要なのか?言語教育にたずさわる3名によるシンポジウムと、9名による識者の論考から考える。コミュニケーションのための外国語から、リベラルアーツとしての外国語に至るための第一歩。前著『21世紀のリベラルアーツ』につづく、「創造的リベラルアーツ」の第2弾。
目次
1 シンポジウム リベラルアーツと外国語(鳥飼玖美子;小倉/紀蔵;ロバートキャンベル;司会・石井洋二郎)
2(リベラルアーツと語学教育と自由間接話法(阿部公彦)
自由になるための外国語(佐藤嘉倫)
記者にとっての外国語―自分と読者の社会を相対化する視点として(大野博人)
言葉のネットワークを往復するということ(藤垣裕子)
橋をかけるリベラルアーツ―他者と共に飛び立つための外国語(鈴木順子) ほか)
著者等紹介
石井洋二郎[イシイヨウジロウ]
中部大学教授・東京大学名誉教授(フランス文学・思想)。著書に、『ロートレアモン 越境と創造』(筑摩書房、2009年、芸術選奨文部科学大臣賞)、訳書に、ブルデュー『ディスタンクシオン』(藤原書店、1991年、渋沢・クローデル賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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母語以外に2つの言語を学び、母語と有機的に関連させ新たなコミュニケーション能力を身につけるのが複言語主義。これは他者の言語を学び相互理解に結びつけ、結果、平和の構築を目指すもの。また言語は文化の主たる要素。外国語を使えると日本語の制約から自由になり世界が広がる。相手との信頼関係を構築するためには実用英語と教養英語(日本の歴史、文化、社会等)の両者が相補的な関係であるためどちらも必要。外国語とは知識・経験・思考・視野という4つの限界の全てから自らを解き放ち、自らを創造する可能性を手に入れることができるもの。2022/10/16