内容説明
急激な西欧化の矛盾に直面する19世紀ロシアで、ドストエフスキーはどのように書いたのか。同じく近代化を遂げた明治・大正期の日本で、ドストエフスキーはどのように読者の心をとらえ、そして21世紀にいたるまで読みつがれ、研究されてきたのか。13名の執筆者が多角的に論じるドストエフスキー論。
目次
日本におけるロシア文学
大地‐聖母‐ソフィア
ドストエフスキーは細部に宿る―『カラマーゾフの兄弟』を翻訳して
タルコフスキーとドストエフスキーの対話―『サクリファイス』と『白痴』
『罪と罰』における「新しいエルサレム」と「永遠の生命」―聖書マテリアルの一貫性
“大審問官”とオドエフスキー“ベートーヴェンの最後の四重奏曲”比較研究―対話表現の変遷を中心に
「西欧とロシア」の問題をめぐる二人の思想家―帰一派の思想家コンスタンチン・ゴールボフとドストエフスキー
帝政ロシア読書史のなかのドストエフスキー―「残酷な才能」から国民的作家へ
ソ連後期のフェニミズム思想とドストエフスキー
新聞記事に現れたドストエフスキー―明治・大正・昭和・平成〔ほか〕
著者等紹介
井桁貞義[イゲタサダヨシ]
1948年生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、ロシア文学、比較文学、異文化コミュニケーション論
伊東一郎[イトウイチロウ]
1949年生まれ。早稲田大学名誉教授。専攻、ロシア文学、ロシア音楽文化史、スラヴ比較民族学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。