内容説明
モーリス・ブランショがその批評と作品を通して追求した「レシ r´ecit」=物語とはなにか。初期から晩年までその思想をたどることにより、言葉が“出来事そのもの”として表出する空間を明らかにする。
目次
序章 「レシ」を問うために―物語・歌・出来事
第1章 一九四〇年代のブランショ―「語り」としての「レシ」
第2章 想起なき虚無の言明―「虚構の言語」における「レシ」
第3章 「レシ」の生まれる地点―「想像的なものとの出会い」における「レシ」
第4章 来たるべき歌―マラルメとクラテュロス主義
第5章 子産みなき生成―「非連続の連続」としての「レシ」
第6章 ブランショにおける音楽と歌―両立しえないものの共存
第7章 失われた始まり―『謎のトマ』という「レシ」
終章 レシの限界―歌の残滓、誰でもない者のバラに向かって
著者等紹介
〓山花子[タカヤマハナコ]
北海道生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。現在、東京大学東アジア藝文書院(EAA)特任助教。専攻、歌をめぐる思想史、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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