内容説明
1861年、対外債務の支払いを拒否したメキシコ大統領ベニト・フアレスは列強の反発を招き、とりわけフランス皇帝ナポレオン3世はメキシコに向けて軍を派兵、ハプスブルク家の王子が君臨する君主制の創設を目論んだ。白羽の矢が立ったオーストリア大公フェルディナント・マクシミリアンはベルギー王女シャルロットとともに、1864年にメキシコ皇帝夫妻としてその地を踏むこととなる…動乱極まるメキシコ近代史に束の間だけ君臨した皇帝夫妻の辿った悲劇的運命を、史実とフィクションによって描き出したメキシコ文学史に冠たる記念碑的著作。
著者等紹介
デル・パソ,フェルナンド[パソ,フェルナンドデル] [del Paso,Fernando]
1935年に、メキシコシティに生まれ、2018年にグアダラハラで没する。メキシコを代表する作家。1955年に広告代理店に勤務し、作家活動を始める。1985年よりパリに移り、メキシコ大使館で文化顧問を務める。代表作には、『メキシコのパロリーヌ』(1977年)、『リンダ六七』(1995年)などがある。1982年にロムロガジェゴス賞、2015年にセルバンテス賞を受賞
寺尾隆吉[テラオリュウキチ]
1971年、愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了(学術博士)。現在、早稲田大学社会科学総合学術院教授。専攻、現代ラテンアメリカ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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