内容説明
一九六〇年代以降、全世界の人文科学を席捲することになる構造言語学‐記号学の源泉が一九一〇‐二〇年代ロシア=ソ連における言語学の革新だったことは今や広く知られている。激しく燃え盛るロシア・アヴァンギャルドの芸術運動、そして“詩の革命を唱え展開した未来派詩人たちとの緊密な連帯のなかから出発したロシア・フォルマリズム運動の一翼を担った”言語学者たち、ボードアン・ド・クルトネ、ヤクビンスキイ、ポリヴァノフ、ヤコブソンからバフチン、ボガトゥイリョフにいたる多彩な言語学者、記号学者たちの思考の歩みを、詩的言語研究会(オポヤズ)、モスクワ言語サークル、プラハ言語学サークルの動向をも追いながら克明に辿る。
目次
第1章 ボードアン・ド・クルトネ
第2章 モスクワ言語学サークルとペテルブルグ学派
第3章 詩学誕生の前提
第4章 詩的言語
第5章 ヤコブソンの詩学
第6章 「レフ」と言語学
第7章 バフチンによる言語学批判
第8章 ボガトゥイリョフの記号学
著者等紹介
桑野隆[クワノタカシ]
1947年、徳島県に生まれる。東京外国語大学大学院修了。東京工業大学、東京大学、早稲田大学でながく教鞭をとった。専攻、ロシア文化・思想(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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ボードアン・ド・クルトネ:ソシュールとの邂逅 モスクワ言語学サークルとペテルプルグ学派:モスクワ言語学サークル ペテルブルグ学派 ポテプニャー 詩学誕生の前提:言葉の復活 ロシア・アヴァンギャルド運動 シクロフスキイとボードアン 未来はと若き言語学者 詩的言語 ヤコブソンの詩学:文学研究と言語研究の問題 言語の6機能 隠喩と換喩 パラレリズム 記号学者ヤコブソン レフと言語学:言語技術学 言語の多機能性 言語進化の理論 パフチンによる言語学批判:対話の言語学 マルクス主義的記号学 ボガトゥイリョフの記号学2021/02/14