内容説明
誕生から半世紀近くを経て、アメリカ社会が抱えている暴力、銃、ドラッグ、人種差別、性差別などの問題を可視化したヒップホップをとおして、アメリカ社会を読み解く比較文化論。
目次
1 ヒップホップ・クロニクル(抵抗から栄光へ;ラップと警察の暴力;フィクションの力;ヒップホップ・プレジデント)
2 ヒップホップ・ナラティヴ(アフリカ系アメリカ人と自伝の伝統;知と再生;黒の贖罪;無知と隷属;ぼくは生まれ変わる;知は君臨す)
3 ピンプ・カルチャー(“女性ぎらい”な文化;ピンポロジー(ピンプ学)
ピンプ・ナラティヴ
ゲームの規則)
4 ヒップホップ・ムスリム(トランプ大統領の入国制限令とイスラモフォビア;二十世紀米国イスラム教と黒人音楽;ファイヴ・パーセンターズとヒップホップ;9・11以後のムスリム・ヒップホップ;イスラム系移民と“ムスリム・クール”;ヒップホップとインターフェイス(異宗教間交流)の可能性)
著者等紹介
金澤智[カナザワサトシ]
1965年、東京都に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科英文学専攻修士課程修了。専攻、アメリカ文化・比較文化。現在、高崎商科大学商学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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大泉宗一郎
5
ギャングスターラップの伝説的グループN.W.Aを映画化した『ストレイト・アウタ・コンプトン』で、メンバーの一人が自身はジャーナリストであり、地元での出来事をリポートする存在だ、というセリフが登場する。本書では、先の映画も例に挙げながら、ヒップホップを「時代を証言する」文化として捉え、一種のオーラルヒストーリーとしての側面からアメリカ文化を知ることを主旨としている。本書において特筆すべき点は、公民権運動やその他の政治的要素がヒップホップに与えた影響とその具体例の的確な説得性であろう。読み物としても面白い。2024/10/17
kana0202
0
イイ。ネットサーフィンしながら読み返す。2021/02/04