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内容説明
独自のスタイルで哲学を一新したドゥルーズは、なぜ芸術を語り続けたのか?一人ひとりが特異な生のスタイルを求めながら共同体を創出することの可能性を拓いたドゥルーズの哲学的生を、“フィギュール”の問題系として捉え直し、概念の創造‐変奏のドラマを目撃する。
目次
序論
第1部 哲学と芸術の「間」―インベンションとしての創造性(芸術の方へ―翻訳の創造性;哲学の方へ―存在と創造)
第2部 エチカとフィギュール(イメージの問題;フィギュールとは何か;主体化のプロセス)
第3部 フィギュールの共同体(「来るべき民衆」の政治性;創造の共同体)
結論 新たな思考のフィギュール
著者等紹介
黒木秀房[クロキヒデフサ]
1984年、東京都に生まれる。立教大学大学院博士課程修了。博士(文学)。専攻、哲学・フランス思想。現在、立教大学兼任講師、桜美林大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takuyak56
2
本書はベーコン論である『感覚の論理学』から、形態の逸脱、形態変化、(究極的には生と死の)力関係の緊張といった形態化のプロセスをフィギュールの特徴として掬い出す。本書の独自性は、こうしたフィギュールの問題系を共同体論へとつなげる点にある。著者は、ドゥルーズの共同体論は、理念として何らかの共同体のあり方を措定するのではなく、生成のプロセスを重視すると主張する。 本書を読みながら、『差異と反復』よりもプルースト論やカフカ論といった文学論の方が何倍も面白いのだということを思い出しました。2020/03/30
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1
フィギュールという概念を軸にドゥルーズを読み解き、その共同体論に光を当てる。「創造とは仲介者intercesseursである」や「にぎやかな孤独」という表現に着目してドゥルーズの共同体論を辿るところは、そこからさらに色んなことが考えられそうな気も。例えばアルトーをその角度から論じるとどうなるか、等。2020/11/02
🍕
0
難解な後期ドゥルーズ の美学をフィギュールの概念によってきれいに整理してまとめつつ、芸術の呼びかけによって現出するドゥルーズ 的共同体を発掘しようとしていたが、千葉雅也が論じていたような共同体そのものにひそむ全体主義の危険性についての議論はノータッチだった。2020/09/22