内容説明
フランスの作家でありながら、ヴェネツィアとパリを往復する生活を送り、『大理石』『海百合』といったイタリアを舞台にした長編小説を書いたマンディアルグ。「わが故郷」と呼ぶほどイタリアに魅了・触発され、いかにしてその「異端」の幻想美学を作り上げたのか?谷崎潤一郎と三島由紀夫を愛する、孤高の耽美作家マンディアルグの本邦初のモノグラフィー!
目次
プロローグ エロスと夢と幻想と―マンディアルグとその文学
序 幻想理論とマンディアルグ
第1部 「北部」と「南部」―交錯する「イタリア」のイメージ(戦後のイタリアとマンディアルグ;バロックと「南部」―コントラストの美学をめぐって;小説『大理石』と南イタリアのバロック)
第2部 イタリアの秘境と辺境―サルデーニャからボマルツォへ(『海百合』におけるサルデーニャの自然と人工性;「聖なる森」の怪物庭園―マンディアルグのボマルツォ訪問)
アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグあるいはイタリアの神秘―「あとがき」にかえて