出版社内容情報
【目次】
内容説明
教会とスペイン帝国に対し武装蜂起を企図したカトリック僧が、失敗して逮捕された獄中にて執筆したユートピア論。神政政治、結婚と生殖の管理、財産の共有、卓越した科学技術…混迷の17世紀イタリアで千年王国到来の予感とともに夢想する、原始共産制社会の驚くべきビジョン。イタリアルネサンス文学・哲学コレクション(全6巻)完結!
著者等紹介
カンパネッラ,トンマーゾ[カンパネッラ,トンマーゾ] [Campanella,Tommaso]
1568年、南イタリアのカラブリア州(地方)に生まれる。詩人、自然哲学者、自然魔術師、占星術師。詩作で頭角を現わし、一四歳でドミニコ会士となるが、次第に異端思想に接近し、また、ガリレオ・ガリレイの知遇を得て近代自然科学に触れる。預言者を自称して政治的・預言的変革を計画するが、発覚して逮捕され、四半世紀におよぶ獄中生活のなかで著作の執筆を続ける。釈放後はフランスに亡命し、フランス宮廷に仕え、1639年、パリで死去
澤井繁男[サワイシゲオ]
1954年、札幌市に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(学術)。元関西大学文学部教授。専門はイタリアルネサンス文学・文化論。1998年、第三回地中海学会ヘレンド賞(奨励賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sayan
18
著者カンパネッラとリストのラ・カンパネラはいずれも鐘に由来し「鈴木」と「鈴の音」ほどの誤差!在京大使館職員の比喩に噴出す。その軽みとは裏腹に本書の住民生活や介護の負担を共同体が引き受ける構想は日本の現実に痛いほど反照する。遠距離介護やビジネスケアラーが直面する切迫は実質的に家族と個人の自己責任へ沈殿する。他方「我们用虚拟游戏寄托自己的理想」と語った某国職員いわく本書を想起させる設定のスイッチゲームは理想の力ゆえ販売禁止という。人は重さに耐えるため理想が必要。本書に現れない、この甘美の丸投げ先の引受人は誰?2025/11/12




