内容説明
ユートピア論『太陽の都』を著し、預言者を自認した自然哲学者・カトリック僧が、体制転覆を計画して逮捕され、四半世紀にも及んだ獄中生活において綴った89篇の詩。ギリシア哲学とカトリック神学がルネサンス的融合を果たした世界観、専制支配と教会の腐敗への怒り、長きにわたる苦難の末に生じた使命と信仰への疑心、異形の知識人の生と思想のすべてが結実した、驚嘆すべき人倫の詩集。
目次
詩人たちに訴える
真の意味での賢者が抱く本来の信仰
世界とその諸部分について
霊魂の不滅
哲学の方法
全国民への警告
世界の諸悪の根源
自己愛についての驚くべき発見
自己愛と普遍的愛を比べて
至上の善である神を愛さず他の善を愛するのは、無知に理由がある〔ほか〕
著者等紹介
カンパネッラ,トンマーゾ[カンパネッラ,トンマーゾ] [Campanella,Tommaso]
1568年、南イタリアのカラブリアに生まれる。詩人、自然哲学者、自然魔術師、占星術師。詩作で頭角を現わし、十四歳でドミニコ会士となるが、次第に異端思想に接近し、また、ガリレイの知遇を得て近代自然科学に触れる。預言者を自称して革命を計画するが、発覚して逮捕され、四半世紀に及ぶ獄中生活のなかで著作の執筆を続ける。釈放後はフランスに亡命し、フランス宮廷に仕え、1639年、パリで客死
澤井繁男[サワイシゲオ]
1954年、札幌市に生まれる。元、関西大学文学部教授。専門はイタリアルネサンス文学・文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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