出版社内容情報
〈オリジナル〉の概念が希薄だった中世にはじまり、テクスト相互の緊張関係が高まりをみせる20世紀まで、フランス文学の豊富な事例を読み解くことで、「引用=書き直し」がもつ多様な広がりに焦点を当てるアクチュアルな研究成果。
篠田勝英[シノダカツヒデ]
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海老根龍介[エビネリュウスケ]
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辻川慶子[ツジカワケイコ]
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内容説明
“オリジナル”の概念が希薄だった中世にはじまり、テクスト相互の緊張関係が高まりをみせる20世紀まで、フランス文学の豊富な事例を読み解くことで、「引用=書き直し」がもつ多様な広がりに焦点を当てるアクチュアルな研究成果。
目次
1(オリジナルのない時代;ルネサンス期のリライトに関する一考察―エラスムスの「コピア」そして「パラフラシス」 ほか)
2(歴史記述における史料の引用―瀕死の太陽王をめぐるダンジョー候の証言;処女ジャンヌの剣―シャプランの聖戦からヴォルテールの反戦へ ほか)
3(言葉と記憶―ネルヴァルにおける引用の詩学;リライトと寓意の多層性―ボードレール「お菓子」再読 ほか)
4(『失われた時を求めて』は『サント=ブーヴに反論する』の小説版なのか―小説的批評と批評的小説;ペルソナとしてのギリシア神話―二人の女性作家、マルグリット・ユルスナールとクロード・カーアンが「私」を語るとき ほか)
補論 リライトとパロディ